『ラウル・デュフィ展 〜絵画とテキスタイル・デザイン〜』

 カラフルな色彩、軽やかな輪郭、額縁をはみ出してしまいそうなほどに溢れる優しさと楽しさ。ラウル・デュフィの絵画に、どれだけの人が悦びを感じたことだろう。陽の光をいっぱいに浴びたときのようななつかしい匂い、そのエネルギーを自分の体にまとうことができたら、どれだけ素敵なことでしょう! それを可能にした時代があった。1912年、デュフィはリヨンのビアンキーニ=フェリエ社と契約、テキスタイル・デザインの仕事を始めることとなる。花や昆虫、幾何学模様……都会的なセンスと躍動的な印象は布地にもデュフィらしさを刻印する。今回の展覧会で注目すべきもう1人の人物がポール・ポワレだ。二次元の世界で舞うデュフィのテキスタイルを立体に起こし命を吹き込んだ衣服には、モード界の帝王の偉業が見えてくる。若き日の≪グラン・ブルヴァールのカーニヴァル≫、南仏の海が鮮やかな≪ニースの窓辺≫、譜面から音