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クロ−ド・ガニオン、映画『窯焚-KAMATAKI-』 監督
投稿日 2008年3月1日
最後に更新されたのは 2016年12月9日
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クロード・ガニオン:命の炎
 
人生に再び意欲を燃やすために、日本人の父を持つケベック人の若者ケンは、日本の叔父のもとに預けられる。その叔父は著名な陶芸家で、少しばかり厄介な人物である。これが映画「窯焚-KAMATAKI-」の粗筋だ。様々な角度から、ある種のやり方で、監督のクロード・ガニオンにとっての日本の第一印象、若き日の発見を再現しているのではなかろうか。
 
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フラン・パルレ:あなたはケベック人監督の中で最も日本的と言っていいのですよね?
クロード・ガニオン:それは、避けられないと思います。それが殆ど私の商売上のブランドだと思っています。実際、日本で暮らし、仕事をした外国人はさほど多くないと思います。私はそれでも日本で3本目の長編映画を撮りました。私は1978年に「Keiko」を制作しました。それに続いて5年前に「リバイバル・ブルース」を撮り、それから「窯焚-KAMATAKI-」を作りました。従って、日本は私にとって少し特別な、特権的な国であり続けていることは確かです。私はこの国に20才で来ました。私はほとんどぶっ通しで10年居続けました。当時、私はほんの短い期間しかケベックに帰りませんでした。そしていつも、いつも、日本は私にとって大切な国であり続けました。ここには常に十数人の投資家がいて、私の映画をいつも配給してくれるのです。終生、日本はそうあり続けるでしょう、きっと。それに私には既存のシステムに比べて常にある種の自由度が与えられています。例えばケベックの場合。私達は政府と多くの仕事をするので、資金は政府から来るのです。でも私はずっと日本で民間の資金を受けてきましたから…まあ、私が時折、役所の人間に無理を言うことが出来たのも、必ずしも悪いことではありません。
 
Kamataki
Kamataki
フラン・パルレ:あなたは伝統もお好きなのですね、映画「窯焚-KAMATAKI-」が陶芸家を基にしているのですから…
クロード・ガニオン:そうですね。でもそれはたぶん制作過程の偶然からかもしれません。実際、わたしが考えた主要人物、私の日本人の登場人物は芸術的な分野からの人である必要がありました。ここでは陶器造りを選んだのですが、それは(後から)来た、と言いましょうか…この企画は何年にもわたりました。初めは、実際のところ、画家だったのです。アンソニー・クィーンがその役を演じるはずでした。一番初めのころは、それは日本人ではなく、アメリカ人であるはずでした。この企画は機能しませんでした。なぜなら途中でアンソニー・クィーンが亡くなってしまったからです。それはとても長い過程でした。従って、陶芸に、私が陶芸において関心のあることは、それが伝統だということではなく、陶芸家、その分野に働く人々が、世間の慣例に従って語られる人々ではなく、常に社会から少し外れたところで生きているということです。だから、伝統について語るにしても、信楽やその他(の窯)に行くにしても、日本のあらゆる陶芸の街に行くにしても、実際、私は多くの窯を見に行きましたが…私は信楽にふらっと立ち寄りました、みんなが私に聞いてきました—ああ、君はどこの窯で働いているの?—信楽に入る外国人はみな陶芸家だからです。そこで観客は時々こう思うのです—ああ、彼は何かエキゾチックな物を選んだけれど、残念ながら、日本では陶芸はあちこちに存在しているものです。そして日本ではおびただしい数の陶工が街の至る所に居て、この仕事をしているのです。だから私の(描く)おやじ、主要人物はとにかく、伝統的な人物ではないのです。彼の仕事は伝統的ですが、彼がそうかというと、否です。私はこのニュアンスがとても好きです。私にとってそれは世の中のあらゆる違いで、自身が伝統的でなくても、世界でもっとも伝統的な仕事をすることが出来るということです。
 
Kamataki
Kamataki
フラン・パルレ:ケベックの若者が日本に来て、驚く場面もあります。ケベックと日本の精神に共通点はありますか?
クロード・ガニオン:実際、私はよく人に言うのですが、私を日本に連れてきたものは、既に今から千年も昔ですが…(笑)私は1970年、実際20才の時に来日しました。私は日本が私の知っている国の対極にあったので来たのです。つまり、70年代には、私の友達はみんな、みんながフランスに行ったものでした。それはケベックのビート族の旅行でした。みんな祖国に行ったのです。それが伝統でしたし、みんなバルザックを勉強しました。みんなフランス文学の中で生きていましたから、私達みんなの夢は、フランスに行くこと、住むことでした。でも私はもっと国から離れたい気持ちがあったので、私は地図でどの国が私の知っている国々と対極にあるのかを調べました。日本は島国ですし、地理的にも、文化的にも、哲学的にも、宗教的にも、あらゆるレベルにおいて対極にありました。そこでわたしは独り言ちたのですーおや、もし国から離れたかったら、これはきっと素晴らしいことになる。日本ほど遠いところはありません。この若者を(登場人物として)持ってきたのは、私の関心事が少し入っています。私は「窯焚-KAMATAKI-」の話をしているのですが、それは彼をまさにその陶芸に向き合わせることでした。まったく西洋の美学に対応しない陶芸に。ヨーロッパ文化に属するものを見ると、それは常にとても綺麗で、とても美しいラインを持ち、左右対称や、その様なことにとても重きを置いています。力学が完全に異なります。もう一度言うと、私の映画では、私は外国人の視点での作品を作りたくはなかったのです。そうした点(エキゾチックな面)を目立たせたり、再び強調したり、語りたくありませんでした…大事なのは、私がこの手の作品を作る時は、物事をあるべきところにおくことで、観客が望めば、観客自身が発見して、そしてもっと深いところまで行き、探究してもらう余地を残すように気をつけることです。そうでなければ、アメリカ人が言うように:—“too bad”、それは残念なことです。
 
フラン・パルレ:一点、批判してもいいですか。あなたはケベック人なので、フランス語での作品を期待していたのですが。
クロード・ガニオン:そうですが、同時に、それはいつも同じことです。私にとって、関心のあることは、リアリズムの形式であって、それは事実でもありました。なぜなら信楽では、多くの外国人が陶芸を学びに来ていますし、もしフランス人が来ていたなら、そこにはとりわけドイツ人やアメリカ人、オーストラリア人が多いので、彼等はコミュニケーションを取ろうとするでしょう。自分の言語を人に押しつけるのはいいけれど、もしフランス語をぽたりとも話せない人に向かって、どんなに、どれだけフランス語で話しかけたとしても、一言も解りはしないでしょう。彼が我々に言うことも全く分からないでしょう。結局、最後はたぶん彼にこう言うことになるでしょうー英語を話せますか?そしてもし対面しているその人がーはい、少し。というなら、まあ英語で事足りるでしょう。ただ単に…コミュニケーション上の配慮、必要から、という理由です。従って日本では、信楽でも他でも、何人かの陶芸家が基本的な英語を話します。私の映画については、私は、生涯で、2本長編映画を日本語で撮りましたし、3本はフランス語で、2本を英語で撮りました次はどうなるのか全く構想はありません…いや、そうそう、そうだ。次のはフランス語と英語なのです、なぜなら…まあそれがウェスタンだからで、これまた別ものです。これは一人のケベック人が有名なアメリカンカウボーイになったという物語です。しかし私にとって、言語は…私はまず、そして何よりもアーティストなのです。自分の言語に誇りをもって、自分の言語を話すことにこだわり、それを保護するのと同じくらい、私の関心事は、主題なのです。それは伝達手段となるもので、もし私が言語を守る作品を作るなら、当然それをするでしょう。でも私にとってまず大事なのは、コミュニケーションで、テーマの扱い方で、それを観客にとって、より良い形でスクリーン上に表現することなのです。
 
2008年3月
インタヴュー:プリュウ・エリック
翻訳:粟野みゆき



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