フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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トマ=ルイ・コテ、BD(バンドデシネ)バンザイ!
投稿日 2018年3月15日
最後に更新されたのは 2018年3月16日
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トマ=ルイ・コテ、BD(バンドデシネ)バンザイ!
 
BDの魅力を共に楽しみ、また、その魅力を知ってもらうこと、それが、ケベック市フランス語圏BDフェスティバルのキーワードのようだ。その第30回目は、上海市より、BD作家の代表者達を招いて行われた。既に12年間、フェスティバルの命運を監視している現総監督、トマ=ルイ・コテ氏は、自ら絶えず努力を惜しまず、彼自身、国境を越え(ベルギー、キューバ、日本は京都国際マンガミュージアム)、巡回展覧会を催しながら、ケベックBDの存在をアッピールしている。
 
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© Franc-Parler
フラン・パルレ:ちょっとお尋ねしたいのですが、、、、、貴方ご自身としては、どんなBDをお読みですか?
トマ=ルイ・コテ:私の読書の選択は、非常にバラエティーに富んでいます。ケベック州やその他の地域の事情にも少々精通していたいという事から、若年層向けBDやアンチミスト(私的作家)BDにも関心を持っています。日本のマンガも読まなくてはと思っていますが、私は、マンガの世界をあまり知りません。基本的には、私は、我が友本屋さん達のお薦めに従うことがしばしばです。彼等は、「君、あの本を見なくちゃ、君、あの本を読まなきゃ。」と言って来るのです。また出版社も、色々な本を送ってくるので、様々なBDを見ることになり、必ずしも、優先順位通りではありません。
 
フラン・パルレ:このフェスティバルは、原則として、フランス語圏フェスティバルです。フランス語圏以外でも、開催されたことがあるのでしょうか?
トマ=ルイ・コテ:このフェスティバルは、開始以来、ケベック市フランス語圏BDフェスティバルと呼ばれています。しかし、現在おこなっているフェスティバルは、フランス語圏のBDや、翻訳されたBDに限るという方針には基づいているものの、まだ翻訳をされていないBD作家を招いたりして、門戸を少しずつ解放しているので、恐らくその本筋から、多少はみだしているかも知れません。例えば、イタリア人作家達を招いたこともあります。また昨年は、上海の代表を3人お招きしましたが、3人のうちお1人の作品しか翻訳されていませんでした。それでも、異国でのBDの現状を読者に知らせるよい機会となっています。
 
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フラン・パルレ:ところで、貴方の隣人の英語圏との関係はどうなっているのですか?
トマ=ルイ・コテ:そうですね、実際のところ、二つの異なった現実ということでしょうか。私は、例えば、トロント・コミック芸術フェステイバルとは、とても良好な関係にあります。それは、カナダの独立派のBDに的をしぼった一大イベントです。でも、市場がおなじではないという意味で、二つの現実といえます。作家達は、互いに知り合った仲ですが、必ずしも仕事を一緒にはしてはいません。二つの違うコミュニテイといったところでしょうか。それでも、互いに行ったり来たりはしているようです。
 
フラン・パルレ:アーチストの選別は、、、、、、どのようにしていらっしゃるのですか?
トマ=ルイ・コテ:フェステイバルの主旨は、結局のところ、ケベック州、また、多少国際社会に於けるBDの現状に精通したいということです。フェステイバルは、この12年間、ケベックのBDの発展のために軸足を置いてきました。ですから、ケベックのBDの宣伝をすることに、大きな関心があったと言えます。一方で、約15名の国際的なBD作家達を、フランス、ベルギー、スペイン、イタリアから招待して、ケベックの読者との交流を図りました。
 
フラン・パルレ:目下、大人向けのBD作家のものが多いようですが、子供向けのもあるのですか?
トマ=ルイ・コテ:フェステイバルの行事計画は、ほぼあらゆる読者に答えられるように作られています。ですから、様々な分野の作家を選び、ケベックの作家達は、会場に姿をみせてくれます。私達は、毎年、作家達の大多数を、その年、または過去二年以内に出版した人達の中から選ぶことにしていますから。そうすると、子供向け、大人向け、極めて個性的なアンチミストBD作家達が集まります。すべての分野を含めようと努力するわけです。従って、行事計画を立てるうえで、そのような選択をすることによって、私達の主旨は反映されていると思います。展覧会においても同様です。子供向け展覧会、若年層向け催し物などがあります。一つのジャンル、一つの読者層に限定するということではなく、全読者及び一人ひとりの要望にいかに応えるかが課題です。
 
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フラン・パルレ:兵站業務についてお伺いしたいのですが、貴方のようなフェステイバルを開催するのには、どのような種類のチームが必要なのですか?
トマ=ルイ・コテ:それは、かなり多くの人手が必要です。だから、パートナー達と仕事をしているわけです。行く先々の場所に居る人達です。去年は、34か所で様々な活動をしましたので、それぞれの場所のチームと仕事をしたということです。その他に、フェステイバルそのものに関しては、フェスティバル開催前の準備段階があり、行事計画や兵站業務に関して、3人で準備致します。ただ、年間を通じて、実際にイベントに関わるのは、私一人です。ですから、私は、芸術監督であると同時に、運営上の監督でもあるのです。イベントに関しては、核となるのは3人で、その他に、約50人のボランティアと数人のイベントスタッフや技師達、兵站業務への協力が必要で、それもケースバイケースです。ですから、短期間中に、チーム全体が、一丸となって働くのです。
 
フラン・パルレ:よく判りました。約50人のボランティアのケベック市民達が、参加していらっしゃるのですね。彼等には、このフェスティバルは、どう映っているのですか?
トマ=ルイ・コテ:ボランティア市民は、実は我々のようなイベントにとって、一種の切り札なのです。彼等は、自ら参加したい、作家や読者達を迎え入れることに協力したいと願う人達です。そして、読者達は、私どものようなイベントにとてもよく応えてくれます。ここで申しあげておきますが、我々のフェスティバルは、形態上、ブック・サロンをその一部に含む、やや特殊なタイプです。大抵のBDフェスティバルは、その形に該当するのですが、しかし私達のフェスティバルにとっては、ブック・サロンは、どちらかというと、数ある構成要素の一つと言った方が良いでしょう。私達のフェスティバルには、幾つかの展覧会があり、そこでの催し物は、とても重要ですから。
サロンの要は、ケベック市ブック・サロンの会場内にあります。私達は、沢山の人々を惹きつけるイベントに参加して、BDの存在感を訴えようと心掛けています。ケベック市ブック・サロンは、何と言っても、68000人の来場者がありますからね。その展示場内に、BDの展示ケースを一つでも設けることは、私達にとって、とても重要なことなのです。だから、そこに幾つかのキオスクを確保し、開催中の5日間に、展示場外と同様、アニメーションのスペースや、宣伝の場所を設けたりします。それで、去年は、私達のイベントに於いて、通算132の活動を行いました。延べ一か月にわたりましたが、イベントの中心は、何といっても、9日間でした。ですから、短期間に、沢山の事を成したということになります。
 
フラン・パルレ:ケベック州の読者達は、BDを、本で読むのですか?或はスマフォまたはタブレットで読むのですか?
トマ=ルイ・コテ:フランス・ベルギーに於いても同様ですから、フランス語圏ではどこも殆ど同じだと思います。電子版BDは、彼等の関心を引かないのです。フランス語圏の人々は、言うならば、″物“が好きなのです。BDは、また、収集家を生みだします。彼等は、自家収集を好み、”タンタン“や”スピルー“のコレクションをし、そうすることで、、、、、
 
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フラン・パルレ:ケベック物では?
トマ=ルイ・コテ:ケベック物では、“ポール”とかです。そうすることで、ほかの人達とそれをシェア出来るからです。電子版ですと、そうは出来ません。ですから、BDは、目下、紙用に制作されています。現行の形や現行の様式にとどめることで、2ぺージの見開きを維持し、“シュー”という紙の音、続きが見たくてページをめくる時のあのときめきがあるのです。電子版では、このようなことは期待できません。そして、電子版BDに関心が深まりつつある場所、また、ある種の推進策がとられて、電子版BDへのさらなる関心が増しつつある場所では、メデイアに於ける特種なコンテンツの開発があってのことだと思います。それに、現在の電子版には、スタンダードなフォーマットがありません。タブレットの中には、ミニ、大、パソコン型の超大型タブレットまであります。私の考えでは、そのことに普遍的に対応できるBDのコンテンツを創ることは、難しいと思うのです。紙形のBDは、まさに形に制約を受けるのです。もっとも、フォーマットがずっと小さく、タブレットに大いに向いているマンガのような場合、または、一枚の紙が、IPadを思わせるようなフォーマットのアメリカのコミックのような場合には、それ程問題にはならないかもしれません。ところが、初期設定のままでのヨーロッパやケベックのBDは、似かよった一つのタイプしかないので、フォーマットがデジタルに向いていないのです。
 
フラン・パルレ:話が少々飛びますが、ケベック市での貴方のフェスティバルの読者層は、主として、その地域からやって来るのですか?それとも、ケベック州から、カナダ各方面から、或は、外国からも来るのですか?
トマ=ルイ・コテ:場合にもよりますが、時には、外国からもいらっしゃいます。でも主にケベック州の人達です。ケベック市界隈の人達、モントリオールの人々、或は、ケベック州東部からの人達が主流です。ですから、前にもいいましたが、ケベックのBDを前面に出すように努力をしています。ケベック州では、BDはまだよく知られていないメデイアですからね。ですから、ケベックのBDは、元気な活力を秘めているのですが、まだまだ努力を重ねて、読者層を開拓していかなければなりません。それに、若年層、成人層、青年層の読者達は絶えず刷新されます。読者というものは、変化していくものですから、彼らがBDメデイアから離れていかないことが大切です。BDは、よく若年層のメデイアだと言われますからね。ですから、両親が子供たちに、BDを読むように勧めることです。BDを読むように奨励することは、とてもいいことです。必ずしもうまくは行かないですけど。でも、結果的に、BDを読んだ時の喜びの感覚を、その後も忘れないに違いありません。そこで、私は、ケベックの読者に賭けることによって、また、彼らの要求や望みに適応した行事計画を立てることによって、上手くいく、大いに実りがあると考えているのです。
 
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Connaissez-vous la bande dessinée du Québec?
© Délégation Générale du Québec au Japon
フラン・パルレ:では、増々の御発展が期待出来そうですね。
トマ=ルイ・コテ:ええ、もちろんですよ。それから、協力関係の仕事も行っています。例えば、リヨンとは、ケベックのBDをそこに持ち込み、そこからケベック以外の他の土地に紹介してもらっています。また、日本でも同様で、ここで、この展覧会を催したり、過去にも幾つかの違った協力関係の仕事をしました。それは、ケベック市やケベックの読者達が催したイベントの紹介の延長線上にあります。他の土地での色々な活動を通してケベックのBDの宣伝をしたいという意思の表明です。
 
フラン・パルレ:最後の質問です。ケベックの出版社達が、重要な場所を占めているようにお見受けしますが。それは、彼等が、フェスティバルにとても関心を寄せている証拠ですね。
トマ=ルイ・コテ:そうです。ずっと、彼等と一緒に仕事をしています。ですから、出版社達、1988年創業のラ・パステークのような人たちは、創業当初より、フェスティバルに参加して来ました。だから、どうしたら彼等の存在をアッピールすることが出来るか、毎年彼等と策を練っています。色々展覧会を開催したり、作家達を招待したりしています。また、違った様々な活動も行います。その上、興味深いことには、ラ・パステーク社、メカニック・ジェネラル社同様、非常に面白い図書目録を掲げて、毎年、沢山の新刊書を出版することに成功している、ケベックの他の出版社達がいます。ですから、彼等と共に仕事をすることは、私にとって、この上ない喜びなのです。
 
東京、2017年12月13日
インタビュー:エリック・プリュウ
翻訳:井上八汐

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