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男女の賃金格差(2)
投稿日 2013年6月27日
最後に更新されたのは 2018年11月19日
2013年6月27日
 
前回の記事をお読みになった方のなかには、賃金格差の数字が他で見たのと違っていると思われた方もいるのではないでしょうか。
違いの理由は、調査対象の違い(民間企業だけなのか公務員も含まれているのか、フルタイム労働者だけなのかパートタイム労働者も含まれているのか)、データ提供者による違い(企業側か労働者本人なのか)、そして何よりも「賃金」の意味するところの違い(税込なのか手取りなのか、月給なのか時給なのか)などいろいろです。
 
ただ、共通しているのは、常に女性の賃金のほうが男性より低いことです。
 
|図1 フランスにおける男女賃金の変遷(民間部門の年間平均手取り給与)|
 
<span class="caps">JPEG</span> - 27.5 kb
 
それは何故でしょうか。最も大きな理由は、女性の労働時間が男性より少ないことです。実際、表1に見るように、男女の労働時間は、民間では年間187時間、公共部門(公務員、病院・保健関係)では82時間の差があり、年間の手取り給与を総労働時間数で割った平均時給の男女格差は、手取り給与総額の男女格差28.1%、17.8%に比べて、それぞれ17.8%、13.3%に縮まっています。この差は、職業階層の違い(階層の上位にある幹部職では女性が34.7%であるのに対して、給与の低い事務職では女性が70.5%を占めている)、職業部門の違い(工学系など高給職種に女性が少ない)などの要因によって説明されていますが、種々の要因を同じと仮定して計算した場合でも、説明のつかない格差が10ポイント残るそうです。
 
女性の労働時間が男性より少ないのは、女性のほうがパートタイム労働者が多いからで、フランスのパートタイマーの82.5%は女性で、女性就労者の29.9%(男性は6.5%)を占めています。彼女たちがパートタイム勤務を選んだ理由のうち最も多いのは「子育てや家族の介護のため」で33.8%、次いで「フルタイムの仕事が見つからなかった」が30.7%となっています(2011年)。
 
|表1 フランスにおける男女の賃金格差(2010年)|
 
| |年間平均手取り給与 (ユーロ)|<|<|年間総労働時間|<|<|平均時給 (ユーロ)|<|<|
 
| |男性|女性|男女格差 |男性|女性|男女格差|男性|女性|男女格差 |
|民間部門|21,700|15,603|28.1%|1,484|1,297|12.6%|14.63|12.03|17.8%|
|公共部門|24,187|19,878|17.8%|1,580|1,498|5.2%|15.3|13.3|13.3%|
 
参考文献
 
Dares Premières Informations et Premières Synthèses, octobre 2008- No 44-5 http://www.travail-emploi.gouv.fr/IMG/pdf/2008.10-44.5.pdf
Dares Analyses, janvier 2013- No 005
図1、表1はいずれも、Insee premiere, no.1436, mars 2013 による。
 
(井上たか子:フランス・ジェンダー研究 / 獨協大学名誉教授)