フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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クロード・デコトー、ケベック出身陶芸家・彫刻家
投稿日 2011年11月1日
最後に更新されたのは 2016年7月27日
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クロード・デコトー:肌を創るブロンズ
 
ケベック州出身の陶芸家、彫刻家であるクロード・デコトー氏は、飽くなき探求心に駆られ、技術や様式を求めて日本にやってきた。人間の肉体を石膏に、究極はブロンズに留めておく為に。滞日40年以上もの間、彼は、節目ごとに数々の個展を開いてきた。
 
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フラン・パルレ:貴方は少し変わった経歴をお持ちですね。いろんな国で経験を積まれたようですが・・・
クロード・デコトー:そう。世界のいろんな所に行ったからね。日本に立ち寄ったのは、ケベック州教育省から奨学金をもらったからなんだ。それが、結局日本に暮らすことになり、ついには、他の土地より長くなってしまったよ。私は、ベトナム経由で日本に入ってきたんだよ。以前は、美術アカデミーに通う為、パリにいたんだ。2年間パリで学び、その後あちこち転々としたものだ。エジプトでは、アブ・シンベルで遺跡発掘の為に働いた。エジプト・ナセル政権が、アスワンにダムを建設した時代を知ってるだろ。私自身、そこに居合わせたんだよ。他の国の人達と一緒に、アブ・シンベル神殿を救済する為にね。それは、すごい仕事だったよ。エジプトで過ごした数年間で、本当に素晴らしい経験ができた。その後、カイロ美術大学に通った。私は、カイロから、東洋へと目を向けるようになった。なぜなら、日本行きの奨学金をもらったからなんだが。それで、外国人留学生として京都に入り、そこで4~5年過ごした。その後、今も暮らす東京の国立に移ったんだ。
 
フラン・パルレ:貴方は、真土(マネ)技法という独特な技法を使っていますね。
クロード・デコトー:それは、私が京都で見つけた真土の一種なんだ。真土は、中国から伝来したものだ。だが、その技法は、中国では廃れてしまった。今では、東京や京都にしか残っていない。真土は素晴らしいよ。なぜって、ロスト・ワックス技法よりも、お金がかからないからね。それに大きな部品や、巨大な作品を型取ることができる。真土技法は、ずっと原始的なものなんだ。つまり、真土だと、ロスト・ワックス技法で作りだせる細かい部分が出せない。ロスト・ワックス技法は、ロウでできた原型を使うが、真土は、鋳物砂、つまり繊維状のものを配合して焼成した砂を使うんだ。それが、鋳型の中で硬くなる。言うなれば、パズルみたいなものだね。もう一つ同じ型を作って重ね、その間に、ブロンズを流し込む。私は、真土をとても気に入っているんだ。なぜなら、真土は全く独特な個性を生み出すからだ。ロダンみたいにロスト・ワックス技法で作ったブロンズには無いものをね。ロダンはね、真土を知らなかったんだよ。日本で興味深く思えるのは、真土だけじゃなく、ブロンズにもたらす質感だ。フランスでは、一度ブロンズを流し込んでしまった後、その上に液剤を塗るんだが、日本では、稲藁を用いる。ブロンズを焼くって言うかね・・・ そうすると、見事な質感が生まれる。稲藁で燃やす。麦藁だと、同じ質感にならないんだ。それが終わると、上からワックスをかける。まだ熱いブロンズに液状のワックスをかけると、ブロンズがより艶やかになるんだ。私は日本の技法が好きだ。なぜって、世界にひとつしかないからね。未だに日本では、この技法を使っているんだよ。中国で使われていた頃から2000年経っても、日本人は真土を使い続けているんだ。
 
La jeunesse
La jeunesse
©Claude Descôteaux
フラン・パルレ:貴方は、デュアリスト(二元性の彫刻)という独自のスタイルを確立しましたね。
クロード・デコトー:デュアリストとは、穴のあいた作品の中で出来上がり、空間が、形と調和するものだ。これは、私が見つけた独自の技法で、友人達との間で、デュアリストと呼んでいた。デュアリストとは、つまり、まあ言うなれば、“穴のあいた作品”ってところだね。だが、その穴自体が、形や構造と調和するんだよ。私は15年ほど前から、この技法の改良を重ねてきた。
 
フラン・パルレ:貴方は、とりわけ異なるタイプの人間に興味があるんじゃないですか?
クロード・デコトー:その通りだね。 私のモデルは全員東洋人だった。タイ・中国・韓国・日本・インドネシアの人達、特にアジア出身者だね。私はアジア人が好きなんだ。なぜなら、アジア人は、ヨーロッパや、ケベックでも見かけない顔立ちをしてるからね。私は、アジア人のまさに、その瞳や骨格を彫ることに、ずっと魅せられてきたし、今でも夢中なんだ。それを素材に彫ること、つまり、ブロンズに写し取ること。実に、エキゾチックだ。私は、作品を売ってきて、今でも、いくつも売っている訳だけれど、それを買ってくれるのは、特に外国人だ。なぜなら、彼らは、こういった切れ長の瞳に興味をひかれるからだ。そういう瞳を、彫刻家は普通扱わないものだ。でも私は、それを彫るんだ。その瞳を作り込むんだ。本当に素敵な瞳の素材があって、それを石やブロンズ上に再現する。実にエキゾチックだ。私が使っている真土や緑青、稲藁の煙をもってすると、見事な顔が出来上がる。私が最も興味をひかれるのは、特にお年寄り、または、日本的や東洋的といった美しい顔だ。そういう人を風呂で探すんだ。なぜって銭湯に行ってるからね。面白そうな人物、つまり、美しい人や、興味をひく表情の人を見つけると、彼らに話しかける。それから、アトリエに招くんだ。こうして、あらゆる人々、私が望むあらゆる人物を手に入れる。日本人も全く無関心って訳じゃない。今は快く引き受けてくれるよ。
 
La vieille qui ne voulait pas mourir
La vieille qui ne voulait pas mourir
©Claude Descôteaux
フラン・パルレ:彫刻家は、この時代、自分の芸術で食べてゆけるのでしょうか?
クロード・デコトー:容易なことではありませんね。私は、美容院を持っているので、それがモデル代や生活費の足しになっているが、美容院がなかったら、とても難しいだろうね。美容院を開いたのは、30年ほど前のことになる。京都出身の一人の若者と出会って、店長にしたんだ。その彼が、まだ店にいるんだよ。店に来て30年になるんだ、そいつは。彼は、今も私のマネージャーを務めているんだ。私は、朝、美容院に顔を出し、一日の予定を話す。それから、10時か11時頃になると、ひきあげて、アトリエに向かう。だから、美容院は、私が生きていくうえで、助けになるんだ。だけど、自分の作品だけで食べていくことはねぇ・・・日本人は、自宅に置く為のブロンズ作品に、お金を出すことにはあまり興味がない。それは、日本人はお金がないからじゃなく、作品を置こうという気が、そんなにないんだと思う。自宅にブロンズ像や、彫刻を収集しようとする日本人に出会うのは、かなり珍しい。特に、絵画は収集しても、ブロンズ像は、集めないだろうね。
 
2011年11月
インタヴュー:プリュウ・エリック
翻訳:中田芳子
指導:粟野みゆき



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