日本の建築に魅せられた4人のフランス人によるこの企画は、写真家のジェレミ・ステラの発案から始まった。そして、建築家のヴェロニック・ウルスとファビアン・モデュイ、そして日本在住30年のマニュエル・タルディッツが加わり、実現する。『Japon, l‘Archipel de la maison(日本、家の列島)』というタイトルで、パリ、ブリュッセル、アムステルダムなどを巡回してきた本展の魅力は、「物」として家ではなく、「住まい」としての家を欧州の人たちに紹介したことだ。4人は、自分たちの足で日本を歩き、自分たちが魅せられた家々を撮影し、家に住む人々と建築家にインタビューを行い、どんな思いで建てたのか、住む人がどんなところを気にいっているのか、彼らがどのように生活しているのかを書きとめた。家の模型と共に展示されている、建築家と住民の言葉や写真に、「家」の表情がくっきりと映し出される。
“La minimaliste” , l’harmonisation”, “la perfection”……「日本的な美」が、それに魅せられたフランス人によってフランス語で語られたとき、今まで気づかなかった何かが発見できるような気がした。(文・写真 Mika Tanaka)