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ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:フランス対外協力・仏語圏担当大臣
投稿日 2003年5月1日
最後に更新されたのは 2023年5月25日
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:フランス対外協力・仏語圏担当大臣
 
ヴィルゼ−ル大臣はフランス政府代表として、京都で開かれた第三回世界水フォーラムに出席しました。そこで日本、フランス両国は、次の3つの問題で協力していくことに合意しました。「セネガル川流域の開発」、「ジブチの帯水層の塩水化対策」、そして「ラオスの首都ビエンチャンの水不足対策」です。また、ヴィルゼ−ル氏は、リニューアルした関西日仏学館の落成式も執り行いました。3月17日に日本で開催された第一回フランコフォニ−・フェスティバルでのスピーチ後、フラン・パルレのインタヴューに答えていただきました。
 
© Franc-Parler

フラン・パルレ:フランス語圏担当大臣がいる国は珍しいと思いますが・・・
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:対外協力大臣とフランス語圏担当大臣を兼任しています。対外協力の仕事の方がどちらかと言うと多いですね。私のこの二つの仕事は重要で、関連があります。フランス語圏担当大臣だけではないのですよ。3日前に日本に来たのは、対外協力大臣の仕事の一環で、開発、水、経済問題などすべての発展を協議するためです。これが私の任務でして、他にもフランス語圏の仕事もしているというわけです。
 
フラン・パルレ:フランコフォニ−(フランス語を話す世界中の人々が集まって推進している国際運動)には、50もの国が参加していますが、ルーマニアのようなフランス語圏ではない国もあります。なぜこの運動に参加しているのですか?
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:ベトナムや他の国にも同じことが言えると思います。これらの国の公用語はフランス語ではありませんが、フランス語を話す人が相当数いるからだと思います。彼らが結びついたのだと思います。フランス語を話す文筆家や作家、ジャーナリストがいて、人口の何パーセントかはフランス語を話します。学校ではフランス語を教え、教育プログラムの中でフランス語は重要なものとなっています。
それにはっきりとした理由があります。それらの国々が参加するのは、このフランコフォニ−にはたくさんの国が集まり、様々な原語、文化が入り混じっていることに価値を見いだしているからなのです。ここに参加している国はみな、この事実に賛同しているのです。それぞれの国が、自分たちの国がそこに存在する権利を主張し、また他の国も存在することを認めています。ですからフランコフォニ−の中にはルーマニア、ベトナム、ハイチ、ケベック州、ブルキナファソなどといった、たくさんの文化と言語が存在しています。皆、この組織の中で心地がよく、他の国と分かち合うものがありますが、彼ら独自の文化、歴史、アイデンティティーはしっかりと持っています。それが順調にいっているこのクラブのルールであり、文化や言語の多様性を尊重することになっているのです。
 
フラン・パルレ:過去の植民地主義の継続のようにとられることはありませんか。
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:もしそうであれば、56カ国も集まるほど大きくはならなかったと思います。その昔、フランスの植民地であった国の数をはるかに上回っています。先ほど挙げられた(ルーマニアのような)中央ヨーロッパや、東洋の国は歴史的にフランスと隷属関係にあったことはありません。ですからまったく植民地主義とは切り離れたものです。
それにジェネレーションも変わりました。私と同世代の人や、私が出会う人は、歴史の本でしかその事実を知らず、ピンとこないのです。植民地主義はもう葬り去られたことであって、このフランコフォニ−のメンバーはそれぞれか完全に自由なのです。
 
フラン・パルレ:フランス人やフランスという国は、(今度のイラク戦争の時のように)反対意見を出すことが多いですが、それはフランス語の性質やフランス人の気質のせいだと思いますか?
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:そうだとは思いません。フランスは自分の役割を果たそうとし、意見を言い、世界に貢献しようとしているのだと思います。古い歴史があり、多くの経験があります。国際社会の中で大変に苦い経験もあります。フランスは国連安全保障理事会の常任理事国ですし、核保有国でもあるので、国際社会において責任があります。様々な問題に対して意見を持ち、それを表明し、責任を持つことは当然のことなのです。
そうでなければ、“フランス人は何をやっているんだ?”ということになってしまいます。世界でフランスが置かれている立場に値しなくなってしまいます。しかし、そこには変なおごりなど全くありません。重要な問題を前に、国として責任を果たさなければならないのです。
 
フラン・パルレ:アラブの国々でフランス語を勉強する学生がまた増え始めているようですが・・・。
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:嬉しい傾向ですね。人から聞いたのですが、日本でも同じことが言えるようですね。以前と比べてフランスのイメージが少しばかり大きなものになったからかもしれません。我々と祖先を同じくするカナダのケベックの人なら、フランスを見る目が変化したと言うかもしれません。イメージがよくなったことが、もしかしたら学生たちに、フランスがやっていることや、言葉などに興味を持たせたのかもしれません。喜ばしいことです。他に理由は思いつきませんね。
 
フラン・パルレ:水フォーラムについて何かご意見は。
ピエール=アンドレ・ヴィルゼール:日本が今回、世界水フォーラムを運営するイニシアティブをとりました。水の問題は、いま地球上で大きな問題となっています。フランスも開発政策の中で優先的にこの問題に取り組んできました。ですから今回のフォーラムに参加するのは当然の流れでした。それから、今年フランスは先進8カ国G8の幹事国でして、シラク大統領は参加国に、水問題について具体的に取り組む計画やアフリカ大陸の開発問題について、6月にフランスで協議することを提案しました。アフリカの問題には強い団結力が必要とされ、緊急に発展策が求められているのです。そういうわけで、今回の水フォーラムにも各国が積極的に集結したというわけです。
 
2003年5月
インタヴュ−:エリック・プリュウ
翻訳:三枝亜希子
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