『ぼくの名前はズッキーニ』イカールは、ママと二人暮らし。ママはイカールのことを”ズッキーニ”と呼ぶ。パパが去っていってから、ママはビールばかり飲む毎日だ。あるとき、ママは事故に遭い、帰らぬ人に。孤児院「フォンテーヌ園」に連れていかれたズッキーニを迎えたのは、同世代の新しい仲間たちだ。親分肌のシモンは、ズッキーニの心の傷をみつめながらこう言う。「皆、同じさ。誰にも愛されていない」……脚本と監督を手がけるのは、今回が長編デビューとなる、クロード・バラス。ジル・パリスによる大人向けの原作を、リミテッドアニメ—ションという技法でシュールに再現した。「虐待」という現実をこの世から消し去ることができなかったとしても、子供たちの夢や希望もまた同じように消し去ることができないと、あらためて知る。世界じゅうのすべての子供たちの笑いで溢れる世の中でありますよう。ただ1人の例外もなく。(Mika Tanaka)監督:クロード・バラスアニメーション監督:キム・ククレール2016年/スイス・フランス/66分Ma vie de courgette film d’animation de Claude Barras; 2016, France, Suisse, 66 mn
『ぼくの名前はズッキーニ』Ma vie de courgette