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2013年11月フラン•パルレ文庫
投稿日 2013年11月12日
最後に更新されたのは 2016年1月12日
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ファントマ 悪党的想像力

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赤塚敬子
風濤社
価格:3200円+税
ISBN978-4-89219-370-5

フランスで誰もが知る悪のヒーロー、ファントマに関する評論。
ファントマとは、ベル・エポック末期のフランスで全32巻が刊行されたピエール・スヴェストルとマルセル・アランによる同名の大衆小説シリーズの主人公である。その連続小説は、フランスの無声映画時代を代表する監督ルイ・フイヤードによって映画化され、怪人ファントマは一挙に知られるようになる。
ドミノ・マスクに黒タイツといったいでたちで、常人には許されない力をもつファントマは、絶対的な悪を象徴する存在として、その後の人々に親しまれてきた。多くの人々、とりわけシュルレアリスムの芸術家たちは、そんなファントマに引き付けられて、自らのファントマ・イメージをことばで、絵筆でそして映像で表現しようとしてきた。
本書は、そんなファントマ・イメージの誕生とその変遷を、おおむね時代に沿うかたちでたどっていく。常識では考えられない行動をとり、時にその過剰さが笑いを誘う、ファントマというキャラクターがなぜここまで人々に愛され続けてきたのか。その魅力に迫る一冊となっている。


稲妻<span class="caps">JPEG</span> - 62.5 kb
ジャン・エシュノーズ著
内藤伸夫訳
Des éclairs de Jean Echenoz
近代文藝社
価格:1500円+税
ISBN978-4-7733-7892-4

1979年『グリニッジ子午線』でデビューし、1999年には『ぼくは行くよ』でゴンクール賞を受賞した、現代フランス文学を代表する作家であるジャン・エシュノーズ。本書は、そのエシュノーズの久々の邦訳である。
この作品は、音楽家のモーリス・ラヴェルを扱った『ラヴェル』、スポーツ選手のエミール・ザトペックの生涯を描いた『走る』に続く、「三つの人生の連作」の最後を飾る作品である。今回、彼が選んだのは、アメリカの電気工学者、発明家であり、交流発電の基礎を築いた、二コラ・テスラである。奇人とも称される彼の生涯が、まるで彼の誇大妄想的な性格を反映したような、誇張や皮肉や反語を多用した独特の文章で綴られていく。
連作のひとつである『ラヴェル』においては事実に、ことにラヴェルの言葉は資料に忠実であることが守られていた。しかし、本作品では主人公が「グレゴール」という架空の名前になっていることからも分かるように、事実性にこだわることなく話が組み立てられている。伝記とフィクションの対立を超えた新しいジャンルを追求しようというエシュノーズの意欲作となっている。


長崎<span class="caps">JPEG</span> - 62.8 kb
エリック・ファーユ著
松田浩則訳
Nagasaki d’Éric Faye
水声社
価格:1800円+税
ISBN978-4-89176-988-8

フランスの気鋭小説家の、アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞作。長崎を舞台とし、実際に起こった事件を題材にした、異色の小説である。
平凡な独身男性シムラは、ある日、自宅の押し入れに見知らぬ女が潜んでいることを知る。彼女はシムラに気づかれることなく、一年にわたってそこに住み続けていたのだというのだ。やがて少しずつ、彼女の過去が明らかになっていく。
本書は、2008年に朝日新聞などで報道された記事をもとに書かれている。舞台となる長崎の風景や、市街を走る路面電車、番茶やコンビニ弁当など、実在するものを登場させながら、著者はそれらに巧みに文学的改編をほどこし、独特の不条理的な世界を描き出す。
「虚」と「実」との戯れの中に、いつしか現代人の癒し難い孤独が描きだされる。不思議な読後感を残す小説である。


スーサイド・ショップ ようこそ、自殺用品専門店へ<span class="caps">JPEG</span> - 105.2 kb
ジャン・トゥーレ著
浜辺貴絵訳
Le magasin des suicides de Jean Teulé
イースト・プレス
価格:1500円+税
ISBN978-4-7816-1060-3

フランスでベストセラーになり、世界20カ国で翻訳された、ジャン・トゥーレによるブラック・ユーモア小説。
テュヴァッシュ一家は、「人生に失敗? 当店にいらっしゃれば確実に死ねます!」という売り文句を掲げて自殺用品店を営む一家である。これまで、生きる希望を失って訪れる客に自殺用の道具を売り、先祖代々受け継がれてきた店を繁盛させてきた。しかし、生きる喜びに満ちあふれた末っ子アランの誕生により、一家の人生の歯車は大きく狂い始める。
自殺用品店という非現実的な場所が舞台となっている物語だが、難しい人間関係や、なかなか手放せないコンプレックス、病気、将来への不安など、登場人物たちが抱えている問題は、現代に生きる我々にも共通する問題である。読者はページをめくるうちに思わず感情移入をしてしまうだろう。
単なるブラックコメディーではなく、さまざまな問題を抱えながら現代社会に生きる私たちに明るい希望を与える作品となっている。


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