フランスで『カンヌ映画祭』が終わると、日本ではフランス映画ファンにとって外せない、もうひとつの映画祭が始まる。『フランス映画祭(Festival du film français au Japon)』は、日本の梅雨の時期を彩るイベントとして定着した。26回目となる今年は、カトリーヌ・ドヌーヴが2度目の団長として来日。昨年団長をつとめたイザベル・ユペールの再来日も嬉しい。そんな華やかな女優たちは、今年のフランス映画祭でどんな活躍をするのだろう……オープニング作品『The Midwife (英題) 』(Sage femme)は、タイトルの通り、助産師が出演する物語。カトリーヌ・ドヌーヴとカトリーヌ・フロという、2人のカトリーヌの共演が楽しみ。『愛を綴る女』(Mal de pierres) では、『嵐が丘』のような激しい恋を夢見る女性をマリオン・コティヤールが熱演。『エル ELLE』 (Elle)は、『氷の微笑』で知られるポール・ヴァーホーヴェン監督が、イザベル・ユペールを主演に迎えたサスペンス。本映画祭の全12作品のうち、2作品に出演しているオドレイ・トトゥにも注目。『パリは今夜も開演中』(Ouvert la nuit)では、きびきびとしたパリジェンヌ役で登場する。オドレイと共演(競演?)するのが、若手女優・サブリナ・ウアザニオ。オドレイと対称的なキャラクターがとてもチャーミング。女優たちも魅力的だけれど、このコメディをさらにコミカルにしているのが、日本人の「ダザイ」だ。彼の辞世の句(日本語)をお楽しみに。映画の中で「日本人は働き過ぎ、だから自殺率が桁外れだ」という台詞がさらりと出てくるけれど、実はこの台詞こそ、この映画のテーマであり、監督からのメッセージじゃないか、と感じてしまう。本作の主人公も演じているエドゥアール・ベール監督が来日予定なので、観客席からそんな質問が投げられることを期待したい。『パリは今夜も開演中』(Ouvert la nuit)は、今回の映画祭で唯一の日本未配給作品でもあるので、この機をどうか逃さないで!(Mika Tanaka)期間 2017年6月22日(木)〜6月25日(日) ※全4日間会場 有楽町朝日ホール(メイン会場・有楽町マリオン11F)TOHOシネマズ 日劇(オープニング会場・有楽町マリオン11階、レイトショー会場・有楽町マリオン9F)ハローダイヤル:03-5541-8600
フランス映画祭 2017 Festival du film français au Japon 2017
投稿日 2017年6月9日
最後に更新されたのは 2023年5月25日