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『午後8時の訪問者』La fille inconnue
© LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILMFRANCE 2 CINÉMA - VOO et Be tv - RTBF (Télévision belge)

『午後8時の訪問者』La fille inconnue
 
診療時間外にベルが鳴る。医師・ジェニー(アデル・エネル)は、時間外診療だからと、そのベルに対応しなかった。そのとき1度だけベルを鳴らした少女が、次の日遺体となって発見される。自分がドアを開けていたら、少女は助かったかもしれない。そんな罪の意識から、ジェニーは身元不明の少女が誰かを調べ始める・・・・・・音楽はなく、映画は事実だけを静かに展開させていく。サスペンス的要素もあるけれど、ヒューマンドラマと呼ぶのがよりふさわしいかもしれない。研修医ジュリアン(オリヴィエ・ボノー)が、ジェニーの前で医師を志した理由を語るシーン、妹を失った姉に「抱きしめてもいい?」と尋ねるシーンに胸があつくなる。ジェニーは、診察のときも白衣を着ない。そのためか、どこか謙虚に見える。かけがえのない命を救うことができなかった後悔、患者の身体の訴えから心の叫びを読み取ろうとするジェニーの姿勢が、「医者とは何か」という問いに対する答えを私たちに教えてくれる気がする。(Mika Tanaka)
 
監督:ジャン=ピエール&リュック•ダルデンヌ
出演:アデル•エネル、オリヴィエ•ポノー、ジェレミー•レニエ、ルカ•ミネラ
2016年/ベルギー•フランス/106分
 
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