フランス人写真家マリー・パッサによる、日本およびアジアでの初めての個展がこの度、開催される。
マリー・パッサは1977年生まれ。建築家として10年間、世界的に有名なジャン・ミシェル・ウィルモットの設計事務所で働いた後、2006年から本格的に写真家としての活動を開始 した。
そして、2010年から2012年の間、彼女は「色」に焦点を置き、オーストリアの哲学者ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタインにちなんだWittgensteinという147点の作品を制作した。このシリーズはウィトゲンシュタインが色彩を考察した『色彩について』に着想を得て、アジアやアメリカでル・コルビュジエやルイス・バラガンといった有名建築家による建築物を撮影して、まるで万華鏡のように色鮮やかな作品に仕上げたものである。それらの作品は、建築の内部を詳細に切り取りながらも、私たちが日常において気にも留めないような場所を、思いもよらない視点で詩的に表現してみせる。彼女の作品は、説明的な演出を避けながら、写真と絵画、現実と抽象といった境界を行き来して、写真という表現の限界に挑戦している。
今回の個展は、キュレーターにカロリーヌ・トロシュを迎え、2014年に「建築界のノーベル賞」とも称されるプリツカー賞を受賞した建築家、坂茂の設計によるTogoビルにある、エモン・フォトギャラリーで開かれる。建築と深い縁をもつマリー・パッサに相応しい場所での個展である。
2014年6月4日 - 7月26日 平日11:00~19:00 土曜日 11:00~18:00
EMON PHOTO GALLERY
5-11-12 Togo Bldg B1F, Minami Azabu, Minato-ku
Tel: 03-5793-5437
emon_photogallery@emoninc.com
www.emoninc.com
www.mariepassa.com