

2011年3月11日。 この日、東日本で起きた出来事は、日本 に住む私たちだけでなく、海外の人たちにも大きな衝撃を与えた。カナダ・ケベック州出身のアーティスト、ミシェル・ウ ノー(Michel Huneault)さんもその1人。彼は、2012年から被災地復興支援のボランティア活動をしながら、写真を撮影し、証言を集め、実験的な映像をつくり 続けてきた。2024年に一区切りとなったアート作品の数々、今回は日本初の展示会として私たちに届けられる。 会場の左の壁面に展示されている写真 は、2012年に撮影されたもの。震災後の風景が写し出される。何一つ残されていない女川の一帯、津波の到達点を示す枯れ木、壊れて 屋根がかたむいた家、泥まみれになったミッキーマウスのぬいぐるみの笑顔が痛々しい。次の展示は2015年から2017年にかけて (…)