フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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国立新美術館 『ルーヴル美術館展 愛を描く』

 会場に入ってすぐ、大きな1枚の絵に圧倒される。愛の成就のため忙しそうに動くキューピッド(アモル)たち……ぽっちゃりとした体つきが可愛らしいが、顔つきはまるで仕事に奔走する企業戦士に見えてくる。 こっそりとのぞく愛、奪い去る愛、母の愛、父の愛、娘の愛、神への愛、その場限りの愛……ルーヴル美術館から寄せられた愛にまつわる絵画の数々は、決して美しくはない人々の欲望、そのありのままの姿をも晒し出す。人間とはなんと身勝手な生き物であることか、そう思うと同時に、それでも美しい肉体のラインにじっと見入る。人物画の多い本展の中で、ひときわ異彩を放つのが、サミュエル・ファン・ホーホストラーテン(Samuel van Hoogstraten)による《部屋履き》(Les Pantoufles)だ。しんと静まり返った家の中、脱ぎ捨てられた部屋履きと鍵穴に挿しっぱなしの鍵といった暗喩的なアイテムがさりげなく描かれる。人の姿はまった