上映中『山逢いのホテルで』監督:マキシム・ラッパズ出演:ジャンヌ・バリバール、トマス・サーバッハー、ピエール=アントワーヌ・デュべ、ヴェロンク・メルムー2023年/スイス・フランス・ベルギー/92分1月16日(木)まで『リュミエール!リュミエール!』製作は1895年から1905年。 1つの作品の長さは約50秒。 それぞれに題名がある。ときに寄せてはくだける波を、ときにケンカをして泣き出す無邪気なこどもを、シネマトグラフ(cinématographe)を携えたリュミエール兄弟たちはそのありのままの美しさをとらえる詩的な映像に、彼らと同時代を生きたガブリエル・フォーレの楽曲が重なり、私たちはしばし時間と空間を旅していく。前作「リュミエール!」では取り上げられることのなかった珍しい作品の数々……中には100年以上前の日本の街なかの雑踏や歌舞伎役者の華麗な殺陣、小津安二郎監督のようなアングルでうつる日本の家族たちも。映画のナレーションもつとめたティエリー・フ レモー監督は、リュミエール作品を、”Le réalisme,” “Le naturalisme”という言葉で表現する。「そしてこの精神が後にトリュフォーやロメール、ゴダールといったヌーヴェル・ヴァーグの監督たちに受け継がれていきました」と。フレモー氏の大切な思い出のひとつがゴダー ルとの会話だ。「他では決して見ることができないものを見ることができる、それが”映画”なんだ」と語ったゴダールの言葉は、この映画の題名である”L’aventure continue”と同じ意味なのだろう。航海中の船首をとらえた映像は、わくわくする冒険心としみじみした旅情の2つを同時に目覚めさせてくれる。(Mika Tanaka)
監督・ナレーション:ティエリー・フレモー(リュミエール研究所所長、カンヌ国際映画祭総代表)映像1895年-1905年リュミエール研究所/フランス/105分/BD・DVDJusqu’au 16 JanvierLumière! L’aventure continue de Thierry Frémaux; films de l’Institut Lumière des années 1895-1905, France, 105 min上映中『不思議の国のシドニ』監督:エリーズ・ジラール出演:イザベル・ユペール、伊原剛志、アウグスト・ディール2023年/フランス・ドイツ・スイス・日本/96分1月24日(金)より『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』監督:マン・レイ音楽:スクワール(ジム・ジャームッシュ&カーター・ローガン)2023年/フランス/70分1月31日(金)より『映画を愛する君へ』監督:アルノー・デプレシャン出演:ルイ・バーマン、クレマン・エルビュー=レジェ、フランソワーズ・ルブラン、ミロ・マシャド・グラネール、サム・シェムール2024年/フランス/88分下高井戸シネマ 03-3328-10081月18日(土)〜24日(金)13:50『リュミエール!リュミエール!』1月25日(土)〜31日(金)ジャン=ポール・ベルモンド傑作選 GRAND FINALE+アンコール!上映作品 ※日替わり上映『ライオンと呼ばれた男』 1988年/フランス・ドイツ/フランス語/127分『大頭脳』 1969年/フランス・イタリア/フランス語/115分『レ・ミゼラブル』 1995年/フランス/175分『おかしなおかしな大冒険』 1973年/フランス・イタリア/フランス語/93分『カトマンズの男』 1965年/フランス・イタリア/フランス語/109分『警部』 1979年/フランス/108分『冬の猿』 1962年/フランス/104分『リオの男』 1964年/フランス・イタリア/フランス語/116分1月25日(土)〜31日(金)14:20『ベルナデット 最強のファーストレディ』厳格で保守的、そして古風。つまり「時代遅れ」で「気難しそう」。それが 彼女の印象だった。1995年から2007年、フランス共和国大統領に就任していたジャックシラクの妻、ベルナデット シラク(カトリーヌ ドヌーヴ)。よき妻として夫を陰で支えよき母として娘たちに寄り添ってきた彼女が、「控えめなシラク夫人」から「賢明なファースト レディ」へと変身を遂げるまでの日々を、コミカルにテンポよく描いたのがこの映画。自由な発想や演出が嫌味なく生き生きとしているのは、外してはならない事実を正確におさえているからなのだろう。監督は、本作が初監督となる、レア ドムナック。ジャーナリストの父が書いた記事を読みながら育ち、「政治」は彼女の人生の大きなテーマとなった。ベルナデット シラクのドキュメンタリーと出会ったとき、ベルナデットの一般的なイメージと実像が大きくかけ離れていることを知り「女性のリベンジ」という切り口で映画を撮ろうと思い立つ。良質の脚本の価値を見抜いたカトリーヌ ドヌーヴの演技も素晴らしい。軽やかなコメディセンス、決して失うことのない品性……年を重ねれば重ねるほど美しくなるその秘訣はどこにあるのだろう?カール ラガーフェルドが新しい服を彼女に届けるシーンは必見。心にささったイガイガしたトゲを溶かしてくれる、上質のコメディ映画に拍手。(Mika Tanaka)監督:レア・ドムナック出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ドゥニ・ポダリデス、ミシェル・ヴュイエルモーズ、サラ・ジロドー2023年/フランス/93分Bernadette de Léa Domenach avec Catherine Deneuve, Denis Podalydès, Michel Vuillermoz, Sara Giraudeau; 2023, France, 93 min
東京で上映されるフランス語圏映画Les films en français à Tokyo
投稿日 2018年1月31日
最後に更新されたのは 2025年1月14日