日曜日 2004年6月6日
記録的に暑かった夏をどうにか乗り越え、日本中がぐったり疲れた体をいやしているようなお盆休みの、その最中、マルセイユから劇団ウバックが東京にやってきました。シアターΧが主催する国際舞台芸術祭2004「仮面と身体」に参加するためです。国内外から仮面劇を上演する団体が集まりました。(紹介記事は「フラン・パルレ」8月号を参照)。 一口に仮面劇といっても大きく2つのタイプに分かれます。第一は、仮面をつけた俳優が台詞を言いながら演じるものです。この場合、コンメディア・デラルテ(イタリア古典喜劇)にあるように、仮面は顔の上半分を覆う「半面」が用いられることが多いようです。しかし能のシテ方のように顔をすっぽり仮面で覆ったまま台詞を言うものもあります。第二は仮面をつけた俳優が無言劇を行うものです。これは東南アジアの伝統演劇によく見られるもので、基本的に顔全体を覆う仮面を用います。全体的に音楽によって主導され、演劇というよりもむしろ舞踊、祭儀としての要素が強くなります。この2つの中間形態として、仮面をつけた俳優とは別の誰か、あるいは「オフ」の声によって台詞が言われるものもあります。 (…)