月曜日 2004年9月6日
演劇フラヌリー 第6回
公共劇場の役割とは? 今月(9月)はフランス作品を見逃してしまったので、劇評ではなく、大局的な話をしたいと思います。数年前から日本でもあちこちに公共劇場が誕生するようになりました。先日も東京では、北千住にひとつできたばかりです。民間の劇場は、要するに「商売」ですから、採算が合うようにフリーハンドで公演を作っていけばいいわけですが、公共劇場には税金が投入されています。その意味では市民全員に公共劇場のあり方を考える権利があるわけです。そして、劇場を作ることを含めた、国や自治体がめざす文化政策のモデルとして「文化大国」フランスの公共劇場がしばしば引き合いに出されます。フランス型の公共劇場が日本にただちに実現するとは思えませんが、先進的な例をどのように日本に生かしていけばいいか、よく考える必要がありそうです。 まず基本的に知っておいてほしいことは、日本でもずいぶんと行われるようになっている演劇に対する公的助成が、劇団の個別公演に対する助成と、「拠点事業」という特定の劇場あるいは劇団(公共・民間の差なく)に対する助成の2種類に大別されることです。これは基本的に公