フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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マディ・メスプレ、女性声楽家(ソプラノ)
投稿日 2008年9月1日
最後に更新されたのは 2016年11月18日
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マディ・メスプレ:常に高みへ
 
フランス人女性声楽家マディ・メスプレはモスクワのボリショイ劇場、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、パリのオペラ座….といった最高級の舞台に出演してきた。そして彼女のファンは、オペラ、オペレッタ、コンテンポラリー・ミュージック、フランス歌曲、といった最も豊富なディスコグラフィーの一つを堪能する。舞台から引退後、彼女のオペラ歌曲に対する取り組みが、10月11日〜12日に日比谷公会堂で上演されるグノー作曲のオペラ『ファウスト』の芸術顧問に繋がっている。
 
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© Claude Poirier
フラン・パルレ:あなたはコロラトゥーラ・ソプラノでいらっしゃいますね…
マディ・メスプレ:ソプラノは、女性の声の種類では最も高い声で、コロラトゥーラとは技巧的歌唱法という意味です。つまり、声の音域を何度も行ったり来たりするのです。低音から高音までヴォカリーズ(歌詞を伴わない母音唱法)をします。結局、そういったヴォカリーズは個々人の技巧によります。
 
フラン・パルレ:どうしたら、そうなれるのですか?
マディ・メスプレ:まず、初めに、天分に恵まれていなければなりません。それは天賦の才能、ですよね。それから、多少とも自分が持ち合わせている、能力を見つけようとすることです。スタート時に、コロラトゥーラに何か引かれるものがあり、向いていなかったら、コロラトゥーラになろうと決めることは出来ません。
 
フラン・パルレ:特殊な声を維持する方法、トレーニングがありますか?
マディ・メスプレ:いいえ、全ての歌手が毎朝しなければならないトレーニングがあるだけです。もちろん、自分の声に適したトレーニングですが。高音部で仕事をしないといけないので、軽いトレーニングから始めなければなりません。だんだん増大していくトレーニングは、益々高音の方へとシフトしていきます。
 
フラン・パルレ:トレーニングとしてはかなり手間ひまのかかる方ですか?
マディ・メスプレ:そうですね、何でもやっていいというわけにはいきませんから。常にするべきことがわかっていないと。そういうことです。
 
フラン・パルレ:オペラ歌曲とシャンソンなどの他の音楽のタイプの間には、多くの関連、(通じる)道がありますか?
マディ・メスプレ:他の音楽のタイプについては、私は知りません。知ってはいるのですが、興味がありません。つまり、他の全てのジャンルは、私たち(コロラトゥーラ)と同じような高度な歌唱技術は必要ありません。一方、こちらは、それに多くを費やさなければなりませんし、沢山の時間を必要とします。それは確かです。長い年月、と言ってもいいでしょう。数ヶ月では、とても才能があったとしても、大して上達することは出来ません。スポーツ選手のように長期(トレーニング)と考えるべきです。
 
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フラン・パルレ:あなたは歌劇『ラクメ』のアリア『鐘の歌』で知られていますが、これはあなたのお気に入りの曲の一つなのですか?
マディ・メスプレ:まあ、そうですね…私は感激しやすいようには見えないのですが、これは私が歌って、あちこちに職を得るきっかけとなったアリアです。私はこれをオーディション用のアリアに使っていて、大抵は上手く行きました。これは私が好きな曲ですが、それがすなわち、お気に入りであるとは言えません。
 
フラン・パルレ:もちろん時とともに声は変化しますが、それに伴ってレパートリーは変化しますか?
マディ・メスプレ:ええ、でも僅かです。引退間近の頃だけです。20年から25年の間は無条件に同じレパートリーを維持できると言えます。それから少しずつ、他の曲を加えていきます。なぜなら声が身体と同様に変化することは事実だからです。身体が変わるから、声が変わるのです。
 
フラン・パルレ:あなたはドイツ語やイタリア語と同じ位フランス語で歌われましたね。そのことはあなたの歌唱スタイルを全く変えてしまいますか?
マディ・メスプレ:ええ、そうですね、もちろん、でも私はフランス南部の出身なので、他の言語よりはラテン系言語に近かったと言えますが、私はドイツ語で数多く歌いました。私はイタリア語よりドイツ語で数多く仕事をしました。
 
フラン・パルレ:今の聴衆はどんな感じですか?
マディ・メスプレ:現在の聴衆は、若い人でいっぱいです。重要な催しの座席を確保するために戦うのですよ。それに劇場に行く為でさえ、定期会員加入契約がありますが、それでも来たいという人々がいるのです。劇場は基本的に小さ過ぎます。私が思うには(オペラは)不遇の時期を生きていたと思います。なぜなら問題点が正しく捉えられていなかったからです。聴衆は、これ(オペラ)は上手く行かない、誰も興味を持たないと聞かされています。これは、少しカトリック宗派の様です、お分かりですね。言われていることは—ああ、カトリック教徒はうんざりだ、とかそんな様なことです。彼らの様な者は、批判はされていますが、存在していて、JMJ(Journées Mondiales de la Jeunesse:(ローマ法王を迎えての)世界青年の日)もあります。
 
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フラン・パルレ:フランスにおけるオペラ芸術に現れている傾向があなたには見えますか?
マディ・メスプレ:フランスには、思ったよりもずっと多くの歌手がいます。とても美しい声の持ち主も、何人かの良い先生もいますが、これはどこの国でも同じでしょう。ドイツにも何人か良い人がいますし、イタリアにも何人か良い人がいる…あとは自分に合った良い師を探すだけです。もちろんフランスには、何人もの良い声(の歌手)がいて、オペラ劇場もダメになっていない、むしろ逆ですね。
 
フラン・パルレ:2002年に東京で『リゴレット』を上演した際には、何を提供しに来て下さったのですか?
マディ・メスプレ:私はその作品についての知識を提供しました。なぜなら私はそれを数多く歌って来たからです。私はそこで起っていた全てのことに関心を持ち、全体を見ていました:演出、歌詞や曲の解釈など。これらの分野において、まず彼らにイタリア語を歌うことを教え、それからこのヴェルディ・スタイルを発見することを教えました。可能な時には毎回、私は自分の見解を伝えました。彼らを、私の考えるところの、ヴェルディが望んだことに出来るだけ近いものに導く為でした。
 
フラン・パルレ:今回はグノーの『ファウスト』ですね。あなたは特別な接点がありますか?
マディ・メスプレ:これは私が初めて見たオペラです。私は4歳でした。ファウストは私の教養の一部になっています。それはフランスのもので、フランス人作曲家によるものであり、フランス語で上演されます。私は数えきれないほど、それを観ました。地球上のあらゆるところで、そして全世界からやってきた歌手達の演奏で。
 
フラン・パルレ:『ファウスト』に影響を受けて、オペラ歌手になられたのですか?
マディ・メスプレ:たぶん…でも運命に導かれてだと思います。私は『ファウスト』が好きでしたし、すぐにピンと来ましたけれど、それが『ファウスト』でなかったとしても、もう少し経って、やっぱりオペラの道を選ぶことになっただろうと思います。
 
2008年9月
インタヴュー:プリュウ・エリック
翻訳:粟野みゆき



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