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フレデリック・トゥルモンド、BD(バンド・デシネ)専門誌『ユーロマンガ』企画・編集
投稿日 2011年9月1日
最後に更新されたのは 2016年7月27日
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フレデリック・トゥルモンド:ユーロマンガ
 
漫画大国である日本では、第9芸術(漫画はフランスで第9番目の芸術と認められている)の中の日本的な作品以外の分野はなかなか認められることはない。2008年、フレデリック・トゥルモンドは、絵や物語の新しい世界を知ってもらうため、ヨーロッパ、特にフランス・ベルギーのバンド・デシネ(漫画)の名作を掲載した雑誌、『ユーロマンガ』を創刊した。次々と同様の動きが生まれるきっかけとなった雑誌である。
 
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フラン・パルレ:あなたは『ユーロマンガ』の企画、編集をされています。バンド・デシネの専門誌を創刊するに当たっては、この分野に経験がおありだったのですか。
フレデリック・トゥルモンド:はい、私は2003年にフランス大使館で働き始めまして、特にフランスの書籍の日本でのプロモーションを担当していました。この仕事のお陰で2年間にわたり、日本の出版社と知り合うことができました。実を申しますと、私はバンド・デシネが大好きでして、当時は自分で描いてみたりもしました。出来上がった作品のいくつかをフランスの出版社に見てもらうこともありました。なかばアマチュアとして足を踏み入れていましたので、この業界については既にいくらかは知っていたのです。2年間の仕事で特に重要だと思えたことは、バンド・デシネの日本への紹介です。漫画は日本とフランスの両国にとって文化的に大きな位置を占めていて、大きな可能性があります。日本の漫画の実力はフランスではっきりと認められていますが、同様にフランスのバンド・デシネも日本に認められるだけの可能性を秘めているのです。そこで、日本でバンド・デシネが出版されるように働きかけたのです。いくらか成果は上がりましたが、まだ十分とは言えません。しかし、それには大きなリスクが伴いますので、慎重な日本の出版社の手を煩わせるよりは、自分で引き受けた方が良いと考えました。こうして、『ユーロマンガ』の構想が生まれたのです。
 
フラン・パルレ:バンド・デシネはどのように受け入れられていますか。
フレデリック・トゥルモンド:私は自分で小さな出版社を作り、この分野に定評がある飛鳥新社という出版社に、作品の管理や販売をお願いしているのですが、私がひとりでやっているようなものなので、大手出版社のようなプロモーションはできません。それでも反応は良かったです。多くの人にとって、バンド・デシネの紹介は衝撃だったようです。創刊して数号は特によく売れました。雑誌自体や掲載作品の質に関する批評も大変好意的でした。グラフィックデザイナーや、映像の世界で働く人に読んでもらいたいと考えていましたが、そういった一部の人には、大きな興味を持ってもらうことができました。面白いことに、フランス文化と言うよりも、デザインやグラフィックに興味を魅かれている人が『ユーロマンガ』の読者になっています。
 
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フラン・パルレ:掲載するバンド・デシネ作品はどのように選んでいるのですか。
フレデリック・トゥルモンド:私の個人的な好みや、読者の好み、そして3年前にはまだバンド・デシネの一般の読者がごくわずかでしたので、以前からバンド・デシネに関心を持っていた方の意見を特に考慮しました。ありがたいことに読者の数は少しずつ増えてきていますが、当時もバンド・デシネに詳しいファンの方々がいらっしゃいまして、ニコラ・ド・クレシーの出版を勧めて下さったのです。ニコラ・ド・クレシーは『天空のビバンドム』の作者です。私が紹介した数々の連載の中でも最も人気が高く、去年の11月には原作の『天空のビバンドム』の全てを一冊にまとめたものが単独で出版される運びとなり、順調に売れています。
 
フラン・パルレ:『ユーロマンガ』は、とても豪華な本ですね…
フレデリック・トゥルモンド:はい、実際に光沢紙を使用しています。日本ではあまり見られないことです。日本の漫画は、商品です。創作物であるよりも、映画製作と同じような過程をたどる商品なのです。スタッフがいて、仕事の分担があります。もちろん作者はいますが、裏にはアシスタントの集団が働いていて、デッサンを描くといったことまで完全に手助けしています。バンド・デシネの場合は、それとは大きく違っています。バンド・デシネは商品ではなく、創作物であり芸術作品であるということを感じて頂ければ嬉しいです。
 
フラン・パルレ:編集を進めていく際に、原作の色合いを出すことや、翻訳といったことにも苦労されたのでしょうか。
フレデリック・トゥルモンド:色合いに関しては、特に難しくはありませんでした。運良く、新しい印刷技術を持っている大変素晴らしい印刷業者を見つけることができたのです。原作のページに極めて忠実な色合いを出すことができました。一方、翻訳に関しては大変でした。台詞、特に作品の吹き出しの台詞を再現するのは、本当に難しかったです。台詞を正しく解釈して、台詞の持つ力や雰囲気を翻訳でも再現しなくてはならないのです。作品を日本語として新たに書き直すといった作業は、とても難しいものなのです。私が選んだ作品の中で、ニコラ・ド・クレシーの『天空のビバンドム』はとりわけ大変でした。この作品はとても複雑で、曖昧なフランス語が使われています。作者はシュルレアリスムを敬愛しているため、物語は一見、破たんしているようにも感じられます。ですから、慎重に読んでいかなくてはならないのです。翻訳に際して訳者の原さんは、とても苦労されました。しかし、努力の甲斐あって、とても良い翻訳になりましたよ。
 
フラン・パルレ:『ユーロマンガ』はフランス語を学ぶ人にも勧められますか。
フレデリック・トゥルモンド:残念なことに、『ユーロマンガ』には少しのフランス語しか載せる事ができません。本格的にフランス語を学びたいとお考えの方には、『ユーロマンガ』を読んで、気に入った作品がありましたら、フランス語の原版を読まれることをお勧めします。時々、翻訳家が訳した文章を手助けとして読んでいくのです。そうすればバンド・デシネがどういう風に日本語になっていくかも分かります。
 
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フラン・パルレ:バンド・デシネに対する理解や関心がまだまだ足りない部分もあると思うのですが、どうしてでしょうか。
フレデリック・トゥルモンド:80年代には、バンド・デシネを出版しようという試みがささやかながらあったようなのですが、残念なことに失敗に終わりました。タイミングの問題だったのだと思います。バンド・デシネは、1970年代の終わりから、多くのさまざまなジャンルの作品を生み出す長い過程を経た後、90年代に再び盛り上がり、2000年代に成熟へと向かったです。80年代に行なわれたバンド・デシネ紹介の努力は、遅すぎたとも言えますし、早すぎたとも言えます。70代の中ごろに始めるか、2000年代初頭まで待つべきだったのです。しかし、実際には80年代中ごろに始まり、90年代中ごろに終わってしまいました。バンド・デシネがフランスで自己の可能性を模索した時期ですので、その挑戦は一般の人にはとっつきにくく、現代の多様なバンド・デシネ作品に比べて、必ずしも面白いものだとは言えないのです。
 
2011年9月
インタヴュー:エリック・プリュウ
翻訳:小林重裕



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