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ジャン=マルク・ムトゥ、映画『ワーク・ハード、プレイ・ハード』監督
投稿日 2004年8月1日
最後に更新されたのは 2017年4月24日
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ジャン=マルク・ムトゥ、映画『ワーク・ハード、プレイ・ハード』監督
 
経営大学院を卒業したばかりのマクレガー社の若いコンサルタントに与えられた最初の仕事は企業買収を目的としたリストラの準備だった。人間的な悲劇は避けて通れない。選択は、それだけですむ無償の行為ではない。ジャン=マルク・ムトゥ監督に聞く。
 
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フラン・パルレ:あなたの経歴を紹介してください。
ジャン=マルク・ムトゥ:多くのフランス人のようにベルギーで映画の勉強をしました。それを終えたのが10年前です。複数の撮影所でアシスタントとして少し仕事をし、平行して短編映画のシナリオを書きました。96年に『Tout doit disparaître(すべて消えるべき)』という短編映画を作りました。この映画は高く評価され、賞をたくさんもらいました。その後、TS Productionsという製作会社とともにこの長編映画を企画しました。その間、アルテ(独仏共同経営の2ヶ国語国営放送)のためにドキュメンタリーとテレビドラマを一本ずつ作りました。だから一年前にこの映画を製作したときには、テレビのおかげで長編の経験がありました。映画館で上映されるのは今回が初めてです。ドキュメンタリーとテレビドラマの間に長編映画を書くのに5年以上かかりました。片手間に執筆以外の事をしていたからです。最初の長編映画というのはそんなものです。
 
フラン・パルレ:同じテーマを追い続ける予定ですか。
ジャン=マルク・ムトゥ:このテーマについては、わかりません。短編も中編も、ドキュメンタリーなども、労働問題にはとても強いので。長編はといえば、この問題については煮詰まった感じがします。これからは、それをまるっきり変えるというのではなく、社会関係一般を中心に仕事をしていきたいと思います。
 
フラン・パルレ:労働問題のテーマを扱うようになった理由は何ですか。
ジャン=マルク・ムトゥ:たくさんあります。私自身そのことで多くの問題にぶつかりました。つまり、映画を作るために仕事を切り捨てたり、映画を通じて仕事に出会ったりしたからです。上司との関係とか、ますます複雑化していく労働規約とか。これはみんなの問題なのです。失業とか、失業が怖いので嫌な事でも受け入れざるを得ないとか、個人の自由に対する締め付け、広い意味でのモラルや福祉に関する締め付けなどもあります。こうした論理そのものが政治的にも、哲学的にもなりえます。私は30代です。この人物は仕事の世界と出合ったばかりです。私と大差ありません。私もこのプロセスを通りました。私は自分の位置を見つけようとしましたが見つけられませんでした。私の周囲では映画を作らない人々がそれを体験しています。私は映画を作りながら当事者であると同時に保護されているような、距離を置いているような気がしていました。制作者はその傍観者でもあるからです。当事者だというのは、演劇関係者の労働争議などをみても明らかです。雇用が不安定なので。いずれにせよ労働者の地位が中心課題なのは確かです。社会にとっても、個人にとっても、それがますます複雑化しており、数多くのトラブルや争議の元凶となっています。
 
Violence des échanges en milieu tempéré
Violence des échanges en milieu tempéré
フラン・パルレ:映画産業に近いレコード業界でも解雇が行われていますね。
ジャン=マルク・ムトゥ:メジャーの集中化とアーティストの新旧交代の不足の問題があります。サービス業や製造業など、いわゆる普通の企業では、収益性が自明の課題となります。それは競争のルールですが、反面それが甚大な人的被害をもたらします。それが文化的業種にも見られるようになりました。背後にある論理とメンタリティーが同じだからです。
 
フラン・パルレ:このシナリオは協作ですか。
ジャン=マルク・ムトゥ:私がイニシアティブを取り、基本的な設定をしました。つまり、コンサルタントと企業への派遣、それが最初の仕事だという点です。登場人物も全部設定しました。それを起点にして、製作会社を通じてオリヴィエ・ゴルスに出会い、一緒に時間をかけて物語の細部を組み立てていきました。同時に企業でフィールドワークを行いました。コンサルタントを利用している企業と、複数の大手コンサルティング会社です。なかでもマグレガーがモデルになっています。大まかに言うと、あらゆる米国企業が対象です。アクセンチャー、マッキンゼー・・・私はコンサルタントのミッションを現場で密着取材することはできませんでした。拒否されたので。でも話を聞くことはできました。彼らが自分の仕事をどのように語るのか、彼らのルールがどのようなものなのか知ることができました。彼らのマネージメントの文書も読みました。かなり時間がかかりましたが、ミッションと企業活動の正確な細部描写でフィクションを肉付けすることができました。ドキュメンタリーは映画を作る発端にあったのではなく、正確さを出すための資料を作るために必要だったのです。こうしたテーマについて簡単に出まかせを語るわけにはいきません。
 
フラン・パルレ:映画の編集を終え、フランスで上映されたとき、コンサルティング会社の社員からの反応はありましたか。
ジャン=マルク・ムトゥ:結構ありました。経営大学院の学生たちに見せたそうです。本物のコンサルティング会社でも見に行ったそうです。見るのを拒否した人たちもいました。あるコンサルティング会社では見に行かないようにというメールを社員全員に送ったそうです。私が見たわけではありませんが、IBMコンサルティングでは上映会を行なったそうです。荒れただろうと思います。討論の様子を撮影したそうですが、カセットは手に入れることができませんでした。つまり、彼らにとって、この映画はなかなか刺激的だったようです。結構なことです。私はこの映画によってコンサルティングのシステムを完全に問い直してみせると自負しているわけではありません。私にとっては、この映画は私たちがその中で暮らしているあらゆる妥協の精神について語るための一つの口実なのです。競争や他者に対する残酷さについてのイメージがいたるところに氾濫しているからです。コンサルタントは特にそのイメージが強く焼きついています。なぜなら彼は今日の経済の理論とテクニックの担い手として問題の中心に位置しているからです。でも私は何も「悪者のコンサルタントを見ろ。こいつがいなければうまくいくだろう」と言いたいのではありません。全然違います。
 
フラン・パルレ:経営大学院の学生たちはこうした状況に遭遇することを知っていますか。
ジャン=マルク・ムトゥ:はい。知っています。若いコンサルタントたちがこういう問題があると話しています。でもそれと同時に、彼らはそれを逃れようとしています。それが私の登場人物の問題です。彼が望んでいるのは、事務的な関係をもつことです。人間を評価せずに会社の業績を上げるためのツールの評価だけをしたい。そこへ彼の問題が表れてきます。そのときはもう遅い。人々は彼に言います。いや、君は人間も選別しているのだ、と。彼の本当の問題は解雇の原因を問い返すことではありません。問題は彼が逃げていることです。責任を逃げている。自分がとることのできない責任から逃げていることです。他方この種の若者たちは、専門家としての一種のオーラをまとい、自分の能力に強い誇りを持っています。彼らの曖昧さは同時に、卑劣さでもあります。なぜなら彼らは汚い仕事をしているときは上司の責任に守られている。そして両方を同時に引き受けることはないからです。でも、もちろんこれらはセットになっています。かりに人間を選抜するようにとあらかじめ求められていなかったとしても、その仕事は全く同じところに行き着くのです。
 
2004年8月
インタビュー:エリック・プリゥー
翻訳:大沢信子
 
『ワーク・ハード、プレイ・ハード』
監督:ジャン=マルク・ムトゥ
出演:ジェレミー・レニエ、ローラン・リュカ、シリア・マルキ
2003年/99分
フランス公開 2004年1月
第12回フランス映画祭横浜2004上映



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