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クロード・ミレール、映画『可愛いリリー』監督
投稿日 2004年6月1日
最後に更新されたのは 2017年4月27日
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クロード・ミレールと『可愛いリリー』
 
フラン・パルレは2000年2月、クロード・ミレール監督の『ニコラ』に出演した二人の俳優のインタビューを掲載した。今回はミレール監督自身に2003年フランス映画祭横浜参加作品『可愛いリリー』を紹介してもらう。同作品のDVDが近く日本で発売される予定。
 
Claude Miller
Claude Miller
©Franc-Parler
フラン・パルレ:『プティット・リリー』というタイトルを説明していただけますか?
クロード・ミレール:作品の中にひとつの世界があるのを見てください。まず過去の出来事や若さの暴力、若さの理想主義に対するノスタルジーの世界です。『プティット・リリー』という名前は、登場人物が小さいからではなく、親しみを込めた愛称として使われています。また、リゾートハウスには「レスペランス:希望」という名前がついています。青春は希望の季節だと思います。プティット・リリーというのは私たちが青春時代に出会った人々のための愛称です。
 
フラン・パルレ:チェーホフの劇が下敷きになっていますね。
クロード・ミレール:そうです。『かもめ』です。だいぶ前からどうして19世紀に書かれたこの劇が私たちを感動させ続けているのか考えてきました。少なくとも私はずいぶん多くのことを考えさせられます。それを理解するには、現代に移すのが一番だと思いました。この作品の主題である、人々の争いや摩擦に今日性があるかどうか見るためです。一種の実験でしょうか。
 
フラン・パルレ:主題とは?
クロード・ミレール:万事につけて若者が大人と付き合う方法、大人が若者と付き合う方法です。例えば野心や成功、愛、または権力などについて。この作品ではわれわれが無意識のうちに他者に対して及ぼそうとする力のことが多く語られています。人生において各自がそのアイデンティティーを構築する方法は、力関係に基づいていることが多いと思います。残念ですが、それが人間というものです。めいめいがその魅力や、才能や、権威や暴力によって、力を持ち、それを他者の上に行使しようとする。それが自分自身を構築する方法になっているのです。
 
フラン・パルレ:映画や演劇ではその傾向がさらに強いのではありませんか。
クロード・ミレール:はい。そういう疑問はもっともだと思います。この力関係が映画の世界ではより強いのではないかという疑問は当たっています。確かに映画の世界では観客を魅了しなければならず、制作の段階では俳優たちやスタッフを魅了しなければならないということがあります。またその逆もあります。それが人間関係を緊張させることもあります。確かに関係はより濃密になります。
 
フラン・パルレ:主役に有名な女優を選びましたね。
クロード・ミレール:有名になり始めた女優です。私がよくやる方法です。まず特定の俳優を想定せずにシナリオを書きました。つまり、人物が十分に類型化されており、今の若手俳優たちの多くに当てはまるということです。だから約10人の女優たちをテストしました。その一人がリュディヴィーヌ・サニエだったのです。彼女はテストの段階ですでに私が求めていたイメージに一番近づいていました。
 
フラン・パルレ:ロバンソン・ステヴナンは監督の役を演じていますね。映画界に入るのはこんなに難しいのですか。
クロード・ミレール:はい。若者が目標に到達するのは今も、いや今の方が難しいかもしれません。青春時代に抱いた志を実現するのは今も昔も難しいことです。私はこの人物の中に若かった頃の思い出をすべて盛り込んでみました。そして、判断を下さないように気をつけました。映画を見た人が、ミレールはこの青年に批判的だとか、老監督の肩を持っているとか思わないようにしたかったのです。私はほとんどすべての登場人物に共感しているつもりです。彼らの欠点にもかかわらず、いや彼らの欠点のゆえに惹かれます。たぶんその中に私自身や知人たちの姿を見るからでしょう。
 
フラン・パルレ:若い監督の純粋さは時がたっても保たれるものでしょうか?
クロード・ミレール:もちろん年齢と時間によって、青春の理想主義にはある程度の妥協が生まれます。それは誰でもわかっていますし、チェーホフの『かもめ』もそれを物語っていますし、『可愛いリリー』もそうだと思います。それが敗北であるとか、純粋さの喪失であるという言い方をする必要はないと思います。それが人生というものだし、ラディカルな面や理想主義の面や感情の激しさの面で失うものがあっても、相対主義や平静さの面で得るものもあります。相対主義もそれ自体悪いことではありません。一つ一つの要素が対応しているわけではありません。世界は完全ではありませんから、でもどの年代にもそれぞれの長所と短所があると思います。私が描きたかったのはそこです。年をとるのは不幸なことだとは思いません、それは現実であって、それに適応すること、できるだけうまく適応することが大事です。
 
フラン・パルレ:この作品のプロデューサーは奥さんですね。息子さんも制作に参加していますが、映画は家族のビジネスなのでしょうか?
クロード・ミレール:特に映画が家族のビジネスだとは思いません。私の場合はたまたま家族の才能や信頼関係があったのでそうなっただけです。でも、初めから道筋が決まっていたわけではありません。孤児であろうが天涯孤独であろうが面白い作品を作ることはできます。
 
フラン・パルレ:クレジットにケベックの名前がいくつかありますが。
クロード・ミレール:ケベックとの共同制作なのです。この頃はケベックと共同制作したフランス映画が結構あります。カナダで撮影するわけではありません。撮影は全部ブルターニュとパリです。共同制作という条件があるので、それ以後の編集や音声などの作業を全部ケベックで行いました。前の作品もそうです。この方式でやったのは今回が2作目です。とても便利なやり方です。
 
2004年6月
インタヴュー:エリック・プリュウ
翻訳:大沢信子
 
『可愛いリリィ』 あるバカンスの夜、ジュリアンは人気女優である母マドとその恋人ブリスに、自分が撮った短編映画を見せる。ヒロインは、ジュリアンが想いを寄せる少女リリィだった。母はこの映画を酷評したが、一方で恋人ブリスはリリィに強く魅かれていくのだった。
監督:クロード・ミレール 出演:リュディヴィーヌ・サニエ、ニコール・ガルシア、ジャン=ピエール・マリエル、ロバンソン・ステヴナン
2002年/カラー/89分



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