金曜日 2004年5月7日
佐藤康 ドラマトゥルグ
◇はじめに 今回から、東京を中心に上演されたフランス語圏の演劇について、批評を書くことになりました。インターネットということもあって、気軽に読んでいただけるものにしたいと思います。性急な硬派批評に走り出すのをじっとこらえて抑え、「そぞろ歩き」で行こうと自戒をこめつつ、「演劇フラヌリー」と題しました。まずはよろしくのご挨拶。ご愛読を願います。
◇アザマとアレーグル 3月には現代の劇作家のなかでも好対照をなす2人の作品が上演されました。ミシェル・アザマとジャン=ポール・アレーグルです。アザマについては本紙4月号のインタビューにも紹介されていますが、『夜の動物園』が沢田次郎さんの主宰するアクターズ・スタジオ櫻会で上演されました。演出は沢田さん。翻訳は私です。 これに対して、アレーグルは岡田正子さんのプロヂュースする「フランス演劇クレアシオン」によって、『アニェス・ベラドンヌ』が岡田さんの訳・演出で上演されました。台本が雑誌「テアトロ」の2001年1月号に載っています。この作品はアレーグルの最新作ですが、ニースのラ・コンパニー73という劇団と、この日本上