月曜日 2004年9月6日
2人のヒーロー、ドン・ジュアンとエドモン・ダンテス 記録的な猛暑となった日本の7月でした。昨年フランスを襲った酷暑(カニキュール)がいよいよ今年は日本を襲うか、と心配したのは私だけではないでしょう。インターネットでフランスのテレビ・ニュースを見ていると、あちらが比較的、冷夏なのに羨ましい気持ちになったものです。こう暑くては劇場に向かう足もついつい鈍りがちですが、なんとかがんばってフランス演劇は2本見てきました。汗をかきかき劇場にたどりつくと、今度は一転、場内の冷房が効いて身に応えるほど。どんなに暑いときでも、Tシャツだけでは劇場に行けません。みなさまも軽く羽織るものをお忘れなく。 夏の盛りに芝居に行くのはたいへんですが、観客の私たちよりも、演じる役者のほうはもっとたいへんです。だいたい私の知る限り、上演作品を決定するプロデューサーや演出家が、上演作品と季節の関係を考えることは、まず皆無と言ってよく、考えてみればこれは残酷な話です。今回の1本目、エリック=エマニュエル・シュミット『ヴァローニュの夜』(シアター21、紀伊国屋サザンシアター)は、貴族社会を題材にした作品で、重厚な衣装を身