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2004年 12月号 演劇フラヌリー 第7回
月曜日 2004年12月6日
月曜日 2004年12月6日
演劇フラヌリー 第7回
大人は笑ってくれない 10月下旬から11月上旬にかけて、ギィ・フォワシィ作『湾岸から遠く離れて』が、東京・銀座みゆき館劇場で上演されました。ギィ・フォワシィ・シアターの公演です。私が台本を作る形で関わったので、稽古場にも公演にも何度も足を運び、舞台の仕上がりをつぶさに見ることができました。私の舞台翻訳もかれこれ10本目近くになり、慣れてきたとは言いながら、やはり貴重な経験もしましたので、今回はそれをめぐって書こうと思います。
『湾岸』(と略します)は中東と西洋との緊張が高まり、その一方ではフランス国内に移民排斥をさけぶ国民戦線が台頭した時期に書かれた作品です。執筆後に湾岸戦争が起こり、ひいては近年のイラク戦争にまで歴史の歯車が回ったことは言うまでもないことですが、作品にはイラクという特定の国が意識的に描きこまれているわけではありません。 (…)