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2005年3月 演劇フラヌリー 第12回 能の宇宙とクローデルの宇宙 —クローデルの詩による創作能−
日曜日 2005年3月6日
日曜日 2005年3月6日
演劇フラヌリー 第12回 能の宇宙とクローデルの宇宙 —クローデルの詩による創作能−
ポール・クローデルは20世紀フランスを代表する「劇詩人」の1人です。代表作には『真昼に分かつ』や『繻子の靴』があります。作品はたいへん文学的な密度が高いので、おいそれと気楽に楽しめる類のものではありません。代表作となると、長大かつ難解なものが多いので、フランスでもそう頻繁に上演されるわけではありません。素朴に「劇作家」と呼ぶのが憚られるゆえんです。やはり「劇詩人」と呼ぶにふさわしいのです。しかし、いくら難解だからといっても、この極東の島に生きる私たちがクローデルを無視できないのは、クローデルが大正年間にほかならぬ、駐日大使だったこともあり、日本と極めて縁の深い人物だからです。しかもクローデルが外交官としての道を選んだのは、そもそも中国および日本への文化的関心があったからだということです。ですからクローデルは日本文化、とりわけ能をはじめとした古典芸術への造詣が深く、作品の中でも日本がしばしば登場します。 (...)