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ニコラ・ヴァニエ、冒険家、映画『狩人と犬、最後の旅』監督
投稿日 2006年9月1日
最後に更新されたのは 2017年3月14日
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ニコラ・ヴァニエ: 北極圏に生きる
 
フランスの冒険家、ニコラ・ヴァニエには愛して止まないものがある:彼が20年以上にわたって縦横にかけめぐっている北極圏である。そのほとんどを彼は犬ぞりで走破している(シベリアや、8600kmにわたるカナダ北部の横断…)。彼の映画『狩人と犬、最後の旅』では本物のカナダ人トラッパー(罠猟師)、ノーマン・ウィンターに彼自身の役で出演させている。
 
フラン・パルレ:あなたは北極圏を愛していらっしゃいますが、その情熱はどこから来るのですか?
ニコラ・ヴァニエ:本当を言うとあまりよく分かりません(笑)。それは私が受ける質問のうちで、答えのない稀なものの一つです。何故なら実際、私はほんの小さな頃からこの情熱を内に持ち続けていたからです。私の両親は、私が5、6歳のころからすでに、世界地図の上のほうを見ていた、と言っています。私はちっとも覚えていませんが。
 
フラン・パルレ:向こうに行ったり、そこで生活したりすることは誰にでも出来るわけではないでしょう…
ニコラ・ヴァニエ:そんなことありませんよ、それは他のことよりも難しくないのです。それをするのに超人である必要はありません。誰もが出来ることです。
 
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フラン・パルレ:そり犬は、フランスではとても普及している種類ですか?
ニコラ・ヴァニエ:そうですね、このところかなり増えてきています。フランスには犬ぞりを操る人が2000人以上いると思います。他の国々と同様、これは特にレースの影響で発展したのです。この現象が多くのそり犬種の発達、生き残りを可能にしました。アラスカも然り、カナダも然り、何故なら人々はもはやトラップ(罠猟)にも、仕事にも、村から村へ郵便物を運ぶことにも犬ぞりを使わなくなったけれども、レースが人々を自分の犬たちと生きることを可能にしているのです。何故なら今日では、レースはとてもいい賞金が出る、大きなスポーツイベントになっているからです。それで、アイディタロッド、ユーコン・クエストといったようなレースのおかげでマッシャー(犬ぞり使い)達はそり犬の群れを維持し、自分たちの生活をなりたたせることが出来るのです。そしてヨーロッパでは、年間通して犬ぞりレースが行われていない週末はありません。それどころか今やアルプス縦断のとても大きなレースがありますし、これは発展しています。これと平行して、レースのおかげで、新しい犬種が登場し、発達しています。アラスカハスキーといって、それはそり犬のシベリアン・ハスキーとグレーハウンドを交配したものです。
 
フラン・パルレ:エコツーリズム(環境観光)についてのあなたの見解は?
ニコラ・ヴァニエ:私はとてもいいと思います。現在の北極圏では、確かに、何かが発展しつつあります。それはそり犬に関してもそうではないでしょうか。彼らは絶滅しそうになりました、何故なら人々がかれらを益々仕事に用いらなくなったからです。だから、今日ではイヌイットや白人種が一層、犬ぞりでの旅をとりわけ勧めるのです。これはいいことです、なぜならまずこれによって、それらの人々は、難しい地域でも生きることが出来ます。これに加えて、観光そのものにとっても、少し別の地域を発見することが出来ます。少し別の切り口では、人々をして、自身を取り巻くものをもっと受け入れられるということを発見させてくれます。だからこの「自然」観光の形への回帰は、私はとてもとてもいいと思います。
 
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フラン・パルレ:それらの観光客達によって地域の動物相が損なわれるリスクはないのですか?
ニコラ・ヴァニエ:いや、ありません。北極圏で唯一、消滅の途にある種は、それは人間です。この地域をどんな方法にしろ、縦横に行き来する何人かの類い希なる人間について咎めたりはしません…いや、彼らは邪魔になりません。私は反対に観光は、そこに行くことで、ある小さな種族をある場所でまだ存続させることで、その国の役に立つと思います。確かに、非常に特定の場合、年間のある期間、ある種の動物にとって、観光は邪魔になるかもしれませんが、一般的には、旅に携わる人々はこれらを全て承知していて、実際、他の人にそれを伝えています。だから、私はこれに関しては特別なリスクはないと思います。
 
フラン・パルレ:「狩人と犬、最後の旅」は素晴らしい自然の中で撮影されました。これらの場所への道中、人間の影響はとても大きいものでしたか?
ニコラ・ヴァニエ:ユーコン準州では、森林破壊に関連した幾つかの問題がありました。何故なら大規模な森林開発があったからで、とは言えこの映画の中でも一般的な方法で少し扱って居ますが、この地域はきわめて野生が残っていて、とても保護されています。だから、ここはこのように世界に存在する数少ない大自然の一郭をなしているのです。
 
フラン・パルレ:あなたの映画はやはり人間が環境について提起する問題への警鐘なのですね…
ニコラ・ヴァニエ:それはどう捉えるかによります。まずは(主演している)ノーマンが自分の住んでいる地域に対して深い敬意を払って、そこで生活しているということが一例と言えましょう。彼はこの映画を通じてむしろ楽観的なメッセージを送っていて、それだからこの映画がフランスで国民教育省によって環境問題を取り上げるために選定されたのです。何故ならこれが逆にノーマンとは全く違う対処をしている人類の問題を提起しているからです。人類は地球がもたらすことのできる資源以上のものを使っていますが、これはノーマンがしていないことです。
 
フラン・パルレ:地球を保護するために一人ひとりが出来ることはなんでしょう?
ニコラ・ヴァニエ:一人ひとりが自分の行動にもう少し責任を持つべきです。そして何か行動をする度に、環境への代償はどのくらいか、知るようにつとめ、良い意味で自問することです。
 
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フラン・パルレ:何がノーマン・ウィンターをしてこの映画にかかわらせたのでしょう?
ニコラ・ヴァニエ:複数のことが考えられます。まずはお互いに友情が芽生え始めたときにこの映画の話を始めたことが挙げられます。私達は益々友達になっていき、それで一緒に企画を立ち上げたくなったのです。映画を撮る、ということはこの友情を長続きさせる一つの「きっかけ」でした。それから、私はノーマン自身に、何かに立ち会いたい気持ちがあったと思います。この映画は『最後の狩人』と題しましたが、彼が所属するこの種の人種は消えて行きつつあるからです。若者達は多くのお金が得られない、この困難な職業にはもはやつきたがらないのです。だから、私は数十年後には、彼のようなトラッパー(罠猟師)は居なくなると思います。それに特に、ノーマンにしても、私にしても、一つのメッセージを送りたいという気持ちがありました。ノーマンは残念な事に北極に住んでいる全ての人々と同様、物事が悪い方向に行き、自然がとりわけ温暖化や他の多くの要因によって大変に打撃を受けているということを良くわかっています。だから、ノーマンはこの映画を通じてそれを言いたかったのでしょうし、これの意識化にかかわりたかったのです。
 
2006年9月
インタヴュー:プリュウ・エリック
翻訳:粟野みゆき



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