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映画『エステサロン ヴィ−ナス・ビューティー』主演ナタリ−・バイ
投稿日 1999年11月1日
最後に更新されたのは 2017年7月24日
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ナタリー・バイ:映画『エステサロン ヴィーナス・ビューティー』主演女優
 
すでに30本以上の作品に出演しているナタリ−・バイだが、『エステサロン ヴィーナス・ビューティー』ではフランス映画ファンの心に彼女が占めている特別な地位をあらためて確認することになった。彼女の秘密、それは白粉気のない身近な女優、そして「映画は夢のように華やかな女性だけのものではない」と証明してみせた女優としての魅力だろう。
 
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© Franc-Parler
フラン・パルレ:あなたのキャリアについて語っていただけますか?
ナタリー・バイ:私はダンス畑の出なんです。プロとしてみっちりクラシックダンスをやって、それからアメリカに行って、そこでまたダンスをしました。フランスに戻ってくると、あまりダンスの仕事がないことに気がつきました。多分私には特別に光るものがなかったのでしょう。それから舞台芸術の学校に入り、次にコンセルバトワール、国立舞台芸術学院に入りました。そこですぐに仕事をする機会に恵まれたのです。初舞台で無名時代のジェラ−ル・ドパルデューと競演し、そのあとでフランソワ・トリュフォーに採用されて『アメリカの夜』に出ました。トリュフォーのようなレベルの監督と初仕事をする機会に恵まれてしまうと、いやでも映画が好きになってしまいます。本当は舞台一本でやるつもりだったんですよ。でも舞台の方もやめたわけではありません。はじめは映画のことはあまり考えてはいなかったんです。
 
フラン・パルレ:映画と比較して演劇から得られたものは何ですか。
ナタリー・バイ:比べることはできません。仕事のやり方からして別個のものです。舞台で演じるのは楽しいですよ。舞台のいいところは稽古をしながら時間をかけて役作りができること、お客さんとのつながりがあることです。きついのは期間が長いこと、一年もの間毎晩拘束されることもあります。だからやる気を維持してゆかねばなりません。上手くいった時はお客さまと役者との間に素晴らしい何かがあるのがわかります。映画のいいところは、仕組みがまた違っていて、カメラがやってきて何かを盗んでゆく、その直接性です。両方の仕事のやり方は別々のものですが、私はどちらも同じくらい好きです。舞台だけとか映画だけをしながら女優業をするのは考えられません。
 
フラン・パルレ:役を選ぶときは何が決めてになりますか。
ナタリー・バイ:特に基準はありません。強いていうなら役が上手く描けていること、きちんと構成されていることです。それからやりたい気持ちが起こるかどうかです。その人物に生命を与えたい気持ちが起こる事です。でも仕事を受けるのは、役のためばかりではありません。たまには素晴らしい役を断ることもあります。シナリオとか監督とかその仕事ぶりとかがあまり魅力的でないと船に乗り込む気になれないこともあります。
 
フラン・パルレ:好みの役や作品のタイプはありますか。
ナタリー・バイ:いいえ。私は多様性が好きなんです。あらゆる映画が好きです。コメディーや、時々真面目になるものや、大衆向けの映画なども。私のこれまでの作品を見ればわかると思います。ゴダ−ルの作品にも出ましたが、もっと娯楽性の強いものにも出ています。この仕事の面白いところは、色々な出会いがあることです。役との出会い、役者との出会い、監督との出会い、そしてそれに附随するいろいろな考え方との出会いに惹かれます。
 
フラン・パルレ:止めようと思ったことはありますか。
ナタリ−・バイ:止めるなんて恐ろしい事です。いいえ、止めたい気持ちはありません。明日のことはわかりませんけれど。私は計画を立てたりしない人ですから。そんなことは大嫌い、あまり先のことを知りたいとは思わないんです。この仕事で一番問題なのは、まさに先が見えないことにあります。キャリアの途中にはいいときも悪い時もあって、大成した人でもそうなのですが、疑惑や驚き、失望もあります。私はそれが好きなんです。それはつらいことにはちがいありませんけど、もう慣れました。この疑いの気持ちが自分のものになりきっているんです。
 
フラン・パルレ:『エステサロン ビーナス・ビューティー』をどう分類しますか。
ナタリー・バイ:とてもフランス的だと思います。フランス的なだけではないのかもしれませんが、強いて分類するならば、という事です。シリアス・コメディーともいえると思います。この作品には滑稽な面も、感動的な面もあります。また現実そのもののありかたも豊富に語られています。人々の孤独、時の経つのを見ようとしない人々のことなど、いろいろです。映画の中には一枚岩仕立てで、ひとつのことしか伝わってこないものもあります。でもここでは千差万別の受取り方をすることができます。いずれにせよこの作品はフランスで大成功しましたし、人々は見るからに共感していました。
 
フラン・パルレ:『エステサロン ビーナス・ビューティー』は大部分あなたのために書かれた映画ですね。
ナタリー・バイ:はい。トニー・マーシャルとは前に一本映画を作ったことがあって、それで私とまた仕事がしたいので、役を書いてあげるわと言ってくれたのです。素敵なプレゼントでしょう。彼女は私にやらせたい人物像は漠然とながら持っていました。そんなある日、エステサロンへ行って、シチュエーションを思いついたんです。というのは、そこがまさに唖然とするような場所でありながら映画ではあまり取り上げられてこなかったということに気が付いたからです。彼女はシナリオを書き上げました。私はそれを読んで、これはいけると思いました。私の好きな映画の要素がちゃんと入っていたからです。つまり感動と笑いの混合です。ある状態から別の状態へと移るところがとてもいいですし、矛盾に満ちた人物がいろいろ出てくるところも好きです。登場人物はその人自身であり、その逆でもあるのです。そこがとても気に入りました。
 
フラン・パルレ:この役を演じる為にエステサロンに通いましたか。
ナタリー・バイ:エステサロンには前にも行ったことがありました。人に大事にしてもらうのはとても気持ちがいいものですから。でもトニー・マーシャルは、この役の為にエステティシャンが働いているところを見学に行くようにと言いました。彼女たちは、プロの仕草がそれらしく見えるようにいろいろ教えてくれました。マッサージとか、パック剤の塗方とか、器具の扱い方などです。足の脱毛の仕方も習いましたが、これは悲惨でした。アシスタントの人が自分の足を使わせてくれたのですが、私はその人の足の毛の方向を間違えて失敗してしまいました。本当は、ワックスをある方向に塗って、逆方向に剥がさなければならなかったのです。それに懲りず私は真面目に何度もエステに行きました。エステティシャンの仕事を覚えようとしたわけではありませんが、彼女たちを観察して、アンジェルの仕草がそれらしくなるようにしたんです。
 
フラン・パルレ:エステサロンは効果がありますか。
ナタリ−・バイ:人生は些細な苦しみと些細な楽しみとで成り立っています。些細な楽しみが見つかった時は、それを楽しめばいいと思います。孤独な女がエステへ行くのは肌を滑らかにするためばかりではなくて、おしゃべりをするためでもあるのです。誰も話し相手がないのですから。こうした些細なひとときが重大な瞬間と同じぐらい大切なことだってあるんです。
 
フラン・パルレ:3度目の来日になりますが、ご感想は?
ナタリー・バイ:最初に来日するときは、なぜだかわかりませんが、日本が好きになれないだろうと思っていました。あまりに近代的なところが気になっていたんです。日本人はある種のものには抜きん出ています。例えばこの機械(MDレコーダーを指して)は素晴らしいですよね。私は機械のことは複雑すぎて何もわかりません。だからこの国とは縁がないと思っていました。この国に惹かれるだろうとは思っていませんでした。それがあっという間に東京の虜になってしまったのです(日本はここしか知らないので)。この巨大都市のパラドックスに惹かれました。たとえばここには大変な数の人々が住んでいます。でもそれと同時に、たとえば交差点へ行ってみると、パリの交差点の10倍の人がいるのに10倍も静かなのです。二度目に来たときは、東京フェスティバルの審査員でした。その際も、この国には本当に優雅な、そして感動的なものがあることがわかりました。来る度ごとに一層惹かれてゆくのを感じます。
 
1999年11月
インタヴュ−:エリック・プリュウ
訳:大沢信子



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