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ナディール・モクネッシュ、映画「ビバ!ラルジェリ」監督
投稿日 2005年7月1日
最後に更新されたのは 2017年3月28日
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ビバ! ラルジェリ
 
この映画のタイトルは、心の叫びであり、若者達がアルジェリア(アラビア語でエル・ジャザイール)という単語を縮約して自国を表す為に作り出した造語である。
アルジェリア人の映画監督ナディール・モクネッシュは自身の映画で、彼の子供時代の思い出の町、いまなおテロ行為の温床となっている首都アルジェに感動的な敬意を表している。
 
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©Franc-Parler
フラン・パルレ:この物語を撮った時のアルジェリアの状況を説明していただけますか。
ナディール・モクネッシュ:私が撮った映画は、2003年1月のことですが、3人の主要人物の物語です。そのうち2人は、つまりキャバレーのダンサーだった母親と、写真店でアルバイトをしている27歳の娘で、アルジェ中心部のホテルの一室に暮らしています。何故彼女達はホテルの一室に暮らしているのでしょう?それは彼女達が住んでいたアルジェ郊外でテロが起こったのでアパートから逃げ出さなければならなかったからです。アルジェリアは約十年の間ゲリラ戦を経験しました。マキと呼ばれるテロリストが活動している地域がアルジェ周辺部に存在していました。ところで新興住宅地はその界隈にあり、事が起こってからというもの、多くの人々が住宅地を離れてより安全な町に避難しました。
 
フラン・パルレ:この映画はフランス語で撮られましたが、何故アラビア語でないのですか?
ナディール・モクネッシュ:アルジェリアはフランス語を用いる第2の国家です。まずフランスがあり、次にアルジェリアが来ます。政治的、文化的理由からアルジェリアはフランス語圏に所属していませんが、フランス語の独立した大変重要な報道機関と、フランス語で書かれた文学があるのでフランス語を用いる国家であり続けています。つまりこれら全てはフランス語が外国の言語ではないということの説明になります。これは国家の一部をなす言語です。アルジェリア人作家カテブ・ヤシーヌがこれは戦争の成果だと言いましたが、その様に考えることはもっともなことです。映画で話されるフランス語は取り決めなのです。日常生活の中では、私が計算したところでは40%がフランス語で60%がアラビア語の方言を使っています。これが比率でしょう。しかしアルジェリア人役者が非常に欠乏していて、またアルジェのアクセントは特殊なアクセントなのです。私は他国の役者を使ってアクセントをごちゃ混ぜにしたくはありません。リュブナ・アザバルは主な役柄を演じていますが、モロッコ人です。だから彼女はモロッコ訛りのアラビア語を話します。日本人やフランス人、その他の人々には(違いが)わからないので彼らにとっては同じことだと思いますが、私は映画の仕事をしていますし、作品も撮っています。私は私の(作品をみてくれる)観客を大事にしますし、まず自分自身を大切にしています。だから私はまぜこぜにしない(のでフランス語を用いる)のです。
 
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フラン・パルレ:アルジェリアの若者はこの作品にたいしてどんな反応をしましたか?
ナディール・モクネッシュ:アルジェリアでは若い観客が来ていましたがとても意外でした。私は本来それを期待していませんでした。とても多くの人が、とても多くの若者がいました。私が若者という時は、アルジェリアは若い国家なので人口の75%が30歳以下なのです。若者、というのは17歳から25〜26歳を指します。そこにはその年代の人々が沢山いて、とても多くの女の子達がいました。それは何故だか私はわかります、女の子達は、現実に根ざしたグセムという登場人物に大変共感していたのです。他の二人はキャバレーの元ダンサー。そして娼婦という昔からあるタイプと考えられます。でもグセムは学がなく、処女でもなく、27歳という現実にとても即した登場人物です。彼女がどう行動するのか?どうすればいいのか?(と興味をもって見てくれました)
 
フラン・パルレ:アルジェリア人の映画監督がアルジェリア人や北アフリカ人の女優を使って撮影した幾つかのヌードシーンについて。イスラム原理主義者や不安に思っている人々に議論のもとを与えてしまわないのですか?
ナディール・モクネッシュ:何といったらいいのでしょうね?そうですね、それはありえますよ、もちろん、それを論拠に利用することは出来ます….この映画は糾弾されなかったのですが、出来ます。例えば奔放な性について議論することはできますが、それは始終耳にする話です。つまりヌードを採用しなかったとしても…それは保守主義のエスカレートです。だからもしヌードでなかったとしても、別のものが必然的に種になったでしょう…本当に映像は、イスラム文化では、映像はとても希有なものなのです。なぜなら我々は人物画を持たず、映像文化がないのです。対する西欧文化は禁忌があったというものの、あなた方には映像文化があり、裸体画の文化もある。システィナ礼拝堂にいくと、裸体画がある。アダムはヌードですね、だからあなた方は肉体礼讃の文化を持っているのです。それに対して我々にとって、それは大変なタブーで、もっともショッキングなことということです。私の決心は映像の為であり、私は映像を追求しています。私はヌードは好きですが、下品なものは好みません。
 
Viva Laldjérie
Viva Laldjérie
フラン・パルレ:あなたは作品上で、亡命せざるを得なかった芸術家について触れていますね。何故テロリスト達は芸術家を非難したのでしょう?
ナディール・モクネッシュ:93年から知識人や芸術家の殺戮が起こりました。この現象はどういうことでしょう?芸術家が標的になったのは、おそらく彼らの生活様式が気に入らなかったからでしょう。私がもっとも象徴的、もっともひどいと思うのは、‘93年に起こったブセッピという名の精神科医の暗殺でした。彼はとても多くの研究をしました。彼はちょっとフロイドの様に、症例を研究し、ヒステリー、純粋さ、みそぎ、純血など、アルジェリア社会につながる膨大な事柄について話しました。享楽、性行動、そういったこと全てに関連して…自己を理解させようと試みている人を殺すことは恐ろしい象徴となる事件です。なぜなら我々はひどい精神分裂病の最中に生きていて自己を理解することを拒んでいるからです。私はしばしばそれは自身を愛することが出来ないからだと言っています。私はそれが問題点だと、現実に自身を愛していないからだ、と思います。アルジェリア人は本当に自身を愛していないのです。他人を殺すことは、自分自身を殺すようなものだから痛い思いをするのです。そして、自己否定が悪なのです。でも私は彼らを愛しています;映画によって私は彼らに彼らの美しさ、無私無欲さを見せてやりたいし、彼らの若さ、とりわけ裸体美を見せてやりたいのです。そして彼らがお互いを愛するようにしたいのです。とても若い青少年達はテロリストの厳しい時代のショックを受けたに違いないと思いますが、お互いを大切に思い始めました。バスの中で誰かが私にぶつかってきた時、一番初めにごめんなさいと言うのが聞けたのは‘93〜94年の後でした。つまり全ての暴力が宗教指導者によって鎮圧されてからです。
 
フラン・パルレ:あなたは夜間外出禁止令が解けて以来、長編映画を撮った最初のアルジェリア人監督ですね。
ナディール・モクネッシュ:私が実際に道路にでて、カメラをまわしたり、撮影の為に交通を止めたり、道路を歩いている人々を映したり、最も有名なマルティール広場に行って撮影したりした初めての人間です。私はこの場所が大好きです。ここはヒッチコックの『北北西に進路を取れ』のショットを彷彿とさせます。それに町を撮影するということは、円形劇場のような階段状になっているのを見せる為、それら全てを見せる為です。それに町は様々な理由の為にほとんど映像化されていませんでした。私は、旅行に行っていたからかもしれませんが、戻ってくると町全てが私のもの、つまり私のものでない歴史的部分はない、と感じます。町全体、ナポレオンⅢ世時代の場所や、フランス的な場所、社会主義下に造られた場所。トルコ・オスマン帝国時代のインテリア。なぜなら私は母方の5代前からアルジェリア人で、オスマン帝国の遺産にも愛着を感じているからです。これらすべては私に属しています。これらすべては私のものです、なぜならこれは私の町でもあるからです。
 
2005年7月
インタヴュー:エリック・プリュウ
翻訳:粟野みゆき



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