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ベルナール・ラップ、映画『あるがままの僕ら』監督
投稿日 2003年9月1日
最後に更新されたのは 2017年5月2日
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ベルナール・ラップ:『Pas si grave』(邦題:あるがままの僕ら)
 
映画監督ベルナール・ラップは、ジャーナリスト出身で、フランスのテレビ局France2のニュースキャスターであったことで有名です。また、20世紀の作家たち260人をとりあげる番組『Un siècle d’écrivains』をプロデュースし、司会も務めていました。彼の三作目の映画『Pas si grave』は、フランスで3月5日に公開され、今年のフランス映画祭横浜(6月18日)で上映されました。宣伝のため来日したベルナール・ラップ監督に話を聞きました。
 
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© Franc-Parler
フラン・パルレ:『Pas si grave』はあなたの過去の作品『私家版』や『趣味の問題』とは全くスタイルが違いますが、なぜですか?
ベルナール・ラップ:シリアスな映画を作ってきたので、世間の私に対するイメージが偏っていると感じていました。ですから、今度は深刻なテーマをもっと軽いタッチで描きたいと思いました。今回は、一人の息子としての生き方、兄弟との関係、自分探し、それから異性を愛するか同性を愛するかといった性のアイデンティティー、ミュージシャンとしての才能への自信などを通して、ストーリーが展開していきます。これらのことを軽快に、陽気に、明確に、楽観的に描こうと思いました。なぜなら、私自身、時々この世の中をそんな風にポジティブに考えたりするからです。題名を『Pas si grave』にしたのもそういう理由からです。明るいストーリーですよ。舞台をスペイン南部に選んだのもそのためです。このストーリーの構想はずっと前からありまして、『趣味の問題』を製作する以前にシナリオを書き始めていました。シナリオの中には、私のプライベートな話がたくさん登場します。風変わりなことや、びっくりするような出来事も、実際に私自身が体験したり、目の当たりにした実在の話です。ですから、この話はずっと昔から私の心の中にあったものなのです。私がこの映画を通して言いたいことは、「家族間の恩と義理」についてです。ストーリーの初めの方では分からないかもしれませんが、このことが一貫したテーマとなっています。フランソワーズ・ドルトが書いたものにヒントを得ました。生みの親、または育ての親に対して、誰しも恩義を感じているものです。しかし、この恩は必ずしも返さなくてはいけない恩ではないのです。ですが、自分が受けた恩を次は自分の子供に与えてあげる。それが両親に恩を返すことになるのです。映画の中で、父親が死の直前に、子供たちに「最後に何か一つ、自分に恩を返してくれ」と言います。しかしこの言葉の本当の意味は、父親が最後に子供たちに素晴らしい贈り物を与えようとしていることなのです。物語のあらすじはざっとこんな感じです。
 
フラン・パルレ:映画ができるまでどれくらいの時間がかかりましたか。
ベルナール・ラップ:何年も前からこのストーリーが頭の中にあったと考えると、とても長かったといえますね。ですが、シナリオは短期間で書き上げ、撮影もとても早く終わりました。随分前からたくさんのことを書きとめておきました。そして月日が流れ、実際にシナリオを書き始めて、だいたい一カ月で出来上がりました。シナリオが完成してから映画が公開されるまでは、一年半でした。
 
フラン・パルレ:スペインは温暖で、陽光まぶしい国ですが、同時に映画の中では陰惨なスペイン戦争についても触れていますね。
ベルナール・ラップ:ええ。『Pas si grave』が表現方法の違いはあっても本質的にシリアスな映画であるのは、スペイン戦争について語っているからでもあります。私は長い間、この戦争に関心がありました。あまりにも多くの戦いが目の前で繰り広げられ、若者たちが祖国を捨て、決して戻ることのなかったヨーロッパの悲劇の中でも稀な同族間の市民戦争です。肉親の間で殺しあう、あまりにも残虐な戦争を体験し、多くの人は祖国に帰らないと決めたのです。フランスには、スペインからの亡命者がたくさんいます。彼らに感動を突き動かされて、映画の中の育ての父パブロ役を作りました。また、この役には私の父親のキャラクターをたくさん取り入れました。父は、スペイン人ではありませんが、映画の中のパブロのようにちょっと変わった建築家でした。
 
フラン・パルレ:フランスでは、スペインからの亡命者はひとまとめにされ、囲いに入れられていました。最近フランスではこの話題がよく上りますか?
ベルナール・ラップ:ええ。特にぺルピニャン辺りではね。不思議なことに、このことについてよく話しをしますね。亡命者の数が今では少なくなったせいか、もう老齢に達したからか、理由はよく分かりませんが。スペインでもここのところ同様にこの話題が多いです。両国でこの戦争をテーマにした映画がたくさん作られています。私の場合、随分前からこの映画を撮っていたので、偶然なのですが。常に私の心を揺さぶっていた20世紀の出来事です。この戦争について、たくさんの書物を読み、資料を調べました。骨肉相食む市民戦争は、この世で最も悲惨なことです。昨日共に食卓を囲んでいた家族が、今日は殺しあう、そういう戦争です。戦争の話は、映画の中では、ほんの一部です。
 
フラン・パルレ:登場人物の一人が、「自分たちはジプシーのような生活をしている」と言っていますが・・・
ベルナール・ラップ:それは、子供たちの安住の場所がなく、常に移動し、生活しているからです。たとえ一ケ所に落ち着いても、実際の生活は全く安定したものではないのです。若いうちに旅をすることはいいことだとよく言いますね。多くの経験をし、視野が広がり、豊かな人間性が形成される。素晴らしいことだと思います。映画の中で、子供たちの育ての父が、違う土地に行くことを勧めます。そこで、彼らはこの社会における本当の自分の居場所を見つけるのです。人は好意を持っている人の言うことに耳を傾けたとき、自分自身の間違いに気付いたり、人生の答えを見出したりすることがあります。彼らは、ベルギーでジプシーのような生き方をしていますが、ひとたび旅に出ると、自分の居場所を見つけ、最後には以前の彼らではなくなっています。
 
フラン・パルレ:作中の血のつながっていない三人の兄弟の中で、あなた自身が投影している人物は?
ベルナール・ラップ:それぞれに少しずつ私自身を入れてみました。長いことトランペットをやっていたので、ロマンにトランペットを渡し、吹き方を教えました。面白かったですよ。私が恐れていることや、望んでいることを三人の兄弟の中に描きました。映画や小説で自分自身のことを登場人物に重ねることはよくありますが、作り上げた人物が自分とそっくりということはまずないと思います。人間、100%自分自身を人前にさらけ出したくはないもですからね。
 
2003年9月
インタヴュ−:エリック・プリュウ
翻訳:三枝亜希子



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