アンリ・ドトゥーシュ 《サロン・デ・サン》 1896年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
Crédits : © Christopher Fay
ベル・エポック(Belle Époque)、日本語に訳すと「美しき時代」。
美術、工芸、舞台、音楽、文学、そして科学。19世紀末から1914年頃にかけて、パリには才能溢れる多くの人々が集まり、活躍した。そんな華やかな時代をベル・エポックと呼ぶ。しかし、華やかさだけがこの時代のすべてだったのだろうか?
ブルジョワジーの暮らしを思い起こさせるような衣装やインテリア。そしてそのすぐ近くに展示されているのは、孤児や娼婦たちの表情をとらえた絵画だ。エリック・サティの音楽が流れる。フランス語の朗読が聞こえる。影絵芝居の再現映像が流れる……ベル・エポックの光と影を漂いながら、私たちはこの時代を体で感じ取っていく。
館内のルオー・ギャラリーでも、ベル・エポック時代のルオー作品に焦点を当てている。「道化師の画家」と呼ばれたルオー。彼が生まれ育った19区のベルヴィル地区に訪れる旅回りのサーカスは、ロートレックらが描いたパリの中心地の華やかなサーカス劇場とは違った風情があった。木戸銭を払って小屋に入ったときに広がる異世界に、ルオー少年は夢中になる。そして、その熱気や一瞬の動きを、素早いスケッチでとらえていったのだ。そこには、”笑い”を届ける道化師たちが舞台では決して見せることのなかった”哀愁”が刻まれている。
本展が開催されるきっかけとなったのは、ミッシェル・オスロ監督の映画『ディリリとパリの時間旅行』(原題:Dilili à Paris)。万国博覧会が開催された頃のまばゆいパリと、その時代を彩った人々が、アニメーションで表現される。マリー・キュリーやサラ・ベルナール、ミュシャ……映画を知っている人はきっと、友達と再会できたときのようななつかしさでいっぱいになるはず。(Mika Tanaka)
☆ 美術館の前で流れる本展の解説映像(15分弱)、館内の影絵芝居の再現映像(2本で約35分)もぜひ。
会場:パナソニック汐留美術館
(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F)
会期:2024年10月5日(土)~ 12月15日(日)
開館時間:10:00~18:00. ※夜間開館日は10:00~20:00
(入館は閉館30分前まで)
夜間開館日:11月1日(金)、11月22日(金)、11月29日(金)、
12月6日(金)、12月13日(金)、12月14日(土)
休館日:水曜日(ただし12月11日は開館)
入館料:一般:1,200円/65歳以上:1,100円/大学生・高校生:700円/
中学生以下:無料)
※障がい者手帳提示の場合は、付添者1名を含め無料
問い合わせ:050-5741-8600(ハローダイヤル)
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<応募方法>
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件名には下記の質問の答えをフランス語で記入し、またメッセージ欄にはお名前(ローマ字、日本語)を明記してご応募下さい。
当選された方は、チケット郵送用に110円切手を貼付した封筒(住所の記入もお願いします)のご用意をお願いしております。
質問 「Quel compositeur écoutait-on à cette époque? 」
締め切りは2024年10月21日(月)、正午です。
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