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『まぼろしの市街戦』4Kデジタル修復版Le Roi de cœur
©1966 - Indivision Philippe de Broca
© 1966 – Indivision Philippe de Broca

『まぼろしの市街戦』4Kデジタル修復版
舞台は1918年10月 のフランス。第一次世界大戦の末期だ。伝書バトにシェークスピアを読み聞かせる青年がいる。彼の名は通信兵・プランピック(アラン・ベイツ)。そんな彼が 上官に呼び出され、フランス語が話せるという理由だけで、とんでもない任務を命じられる。ドイツ軍がフランスの小さな町に仕掛けた時限爆弾を撤去すること だ。「タラはフライが好き」、「真夜中に騎士が打つ」。そんな不可解な合い言葉とフランス語だけが彼の武器で、カゴの中の伝書バトだけが彼の友達だ。町を 訪れると、爆弾騒ぎで住民は皆避難してしまい、通りはもぬけのから。と思いきや、取り残された精神病院の患者たちとサーカスの動物たちが町を闊歩し、おと ぎ話のような世界が繰り広げられている。彼らは解放感いっぱいに、「いま」を楽しみ、プランピックを「王様」とあがめる。カーニバルさながらの賑やかさの 中、爆発までの時間は刻々と過ぎていく……戦争は愚かなこと。というより、バカバカしいことなのだ。これほど、反戦をわかりやすくさらりと描いた映画が他 にどれだけあるのだろうか。戦争が舞台のはずなのに、笑いがこみあげてくるなんて。ベトナム戦争、学生運動——映画が発表された当時は、ちょうどそんな言 葉が飛び交う時代だった。それから50年ほどが過ぎたというのに、この映画はまったく古びることなく、私たちに強烈なメッセージを届けてくれる。プラン ピックが、スコットランド風のチャーミングな軍服をどうするのか……当時の日本公開版を知る人は、ラストシーンをあらためて思い起こしてすがすがしい気持 ちになれるかもしれない。今回は、日本公開版とは少し違ったラストシーンが楽しめる。最後に語られるとても詩的なひとことを、どうかお聞き逃しなく。 (Mika Tanaka)
 
監督:フィリップ・ド・ブロカ
出演:アラン・ベイツ、ピエール・ブラッスール、フランソワーズ・クリストフ、ジャン=クロード・ブリアリ、ジュリアン・ギオマール、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド
1966年/102分/DCP
※上映は原板から変換した2K上映
 
Le Roi de cœur de Philippe de Broca avec Alan Bates, Pierre Brasseur, Geneviève Bujold, Jean-Claude Brialy, Michel Serrault; 1966, France, Italie, 102 mn
 
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